熟年の文化徒然雑記帳

徒然なるままに、クラシックや歌舞伎・文楽鑑賞、海外生活と旅、読書、生活随想、経済、経営、政治等々万の随想を書こうと思う。

大気汚染の為に昆虫が花を探せなくなっている

2008年05月06日 | 地球温暖化・環境問題
   花の受粉の為には、蜂などの昆虫が花の匂いを嗅ぎ分けて花を訪れることが必要だが、大気汚染の為に、それが妨げられていると言うヴァージニア大学の研究の結果を、ワシントン・ポストが報じている。
   この研究は、広範な穀物に影響を与えている今日の受粉危機を解明する手がかりを示唆している。科学者達が、米国をはじめ他国においても、ミツバチや熊蜂が何故多く死んでいるのかを究明しているのだが、発電所や自動車の排気ガスが、昆虫死滅の引き金を引いているらしいと言う結論が見えてくると言うのである。

   科学者達は、既に、花から発散される匂い成分である炭化水素分子が、オゾンや汚染空気などに接触すると破壊されると言うことを発見している。
   また、以前には、花の匂いが4000フィートくらい伝播していたが、今日、特に、ロサンゼルスやヒューストンなどの公害の酷い地域では、650~1000フィートくらいしか遠くへとどかなくなっている。
   その上に、空気汚染の為に最大90%もの香りが殺がれてしまっていて、眼の悪い蜂などは花に辿り着けない。
   その結果、昆虫達は食に有りつけなくて死んでしまい、植物は受粉出来なくなって、結実しなくなってしまっていると言うのである。

   果物などの結実危機や昆虫の死などについて、実際に起こっていて問題となっていること自体知らなかったので、この記事を読んでショックであった。
   人間の環境破壊によるエコシステムの崩壊が、こんな形で、小動物たちの生命を脅かし、とどのつまりは、自分達の生活も、食糧危機と言う形で首を絞めることになっているのである。
   風が吹けば、桶屋が儲かる、と言う喩えが何処までも尾を引いて追いかけてくるのが、自然界の摂理、エコシステムの本質なのだが、
   北極海の氷がどんどん溶けて行って、海氷に辿り着けなくなり餌のアザラシを捕れなくなって、死滅に向かっているホッキョクグマを思い出して切なくなってきた。

   エコシステムは、偉大な創造主の世界であった筈だが、とうとう、思い上がった人間が、禁断の木の実に手を触れて壊し始めたが、摩訶不思議な神の創造であるエコシステムの謎を人間は知らないし、どのように作用しているのかさえも分からない。
   人間たちは、僅かな知識で得た厳粛な科学的な事実さえ信じることなく、寒苦鳥のように明日に備えることなく暢気に生きているのだが、何も言わずにせっせと蜜を求めて飛び回る昆虫や鳥の健気さに頭が下がる。
   今日は、何となく小鳥の鳴き声が澄んで聞えるような感じで聞いていたが、気の所為でもなさそうである。
   
コメント
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