卒業を記念して保護者の皆さんから子どもたちに贈られ置き時計には「夢にときめけ!明日にきらめけ!」というドラマ「Rookies」の合い言葉が刻み込まれていました。
私たち6年生軍団は、4月のスタート時点から、「史上最高の卒業式」を合い言葉にして大前進をしてきました。その前年、残念なことに大きく大きくマイナス方向に傾いてしまっていた子どもたちは、まさにRookiesの主人公である野球部員にそっくりでした。自分たちの目標を見失い、大人を疑い、男女関係なく子ども同士でも傷つけ合い、その不満や不安を接するものすべてにぶつけていたような雰囲気がありました。
この問題を私から見ると、「子どもも保護者も教師も、誰も悪いのではない。ボタンのかけ間違いをしているだけだ。」と感じていました。本来、人間の子どもはより良く成長しようという本能が備わっていると私は感じています。必要な時に必要な光を水を与えること、そして自然農のように、余計な肥料(指示や叱責)を与えず、相互関係をバランス良く保ってあげることで、子どもという才能の芽は急速に育っていくと信じています。
6年生の1年間、『マインドマップ学年』を形成し、考えることの楽しさを味わい、ポジティブに、プラス思考で進んできました。
「6年生は学校の看板である!」
「3月25日に私たちは史上最高の卒業式をしている!」
強力な目標意識の下で、ひとつひとつの授業や行事を通して、そのたびに設定してきたスモールステップの目標を達成し続けてきました。自らの努力で目標を達成した喜びが子どもたちを大きく育てていきました。
昨日の卒業を迎える2日前、私は最後の指導として「史上最高というのはいったい何をもって史上最高とするのか」を徹底しました。
「学校史上最高なのか?江東区史上最高なのか?日本史上最高なのか?人類史上最高なのか?宇宙史上最高なのか?それとも自分史上最高なのか? 自分の考えている最高イメージに手をあげてみて。」
多くの子が「人類史上最高」と手をあげました。しかし私は今回の卒業式の場合はそうではないと話しました。
「人類史上とか宇宙史上とかいうのは大きすぎてイメージすることができない。どの卒業式が人類史上最高だったのかなんて誰も知らない。イメージが大きいのは良いことなのだけれども、いざ本番という時には、本当に自分が分かるものにしなくてはいけない。だから『自分史上最高』の卒業式、これまでの12年間で最も力を出した、300%の力を全員が出せた。こういう式にすれば、それが自然に史上最高の卒業式になるんだよ。」
そして、昨日の卒業式です。
全員が力強い口調で「将来の抱負」を話し、よびかけや歌も精一杯声を出していました。
来賓の方々のお話を聞く姿勢も立派でした。
「泣いたら歌が歌えなくなる」という気持ちで涙をグッとこらえながら、参加してくれた方々全員を感動させるんだと頑張っていました。
体育館には心暖かな空気が流れていました。
子どもたちと一緒に苦労を乗り越えてきた保護者の皆さんが、子どもたちの成長した姿に涙していました。
「良かった!笑顔で卒業することができて、本当に良かった!」
私には保護者の皆さんの心からの声が聞こえてくるような感じがしました。
まさしく史上最高の卒業式でした。
短い記事内ですべてを語り尽くすことはできませんので、この卒業式については何回かに分けて連載してみたいと思います。