地味鉄庵

鉄道趣味の果てしなく深い森の中にひっそりと (?) 佇む庵のようなブログです。

台湾最新事情・2005夏

2005-08-02 17:31:42 | 台湾の鉄道


 このショボいブログをいつもお引き立て頂いている皆さまに暑中お見舞い申し上げます。夏の首都圏は死ぬほど湿気が多くてウンザリなので、国内外のどこへでも良いので出かけたいところですが、大体いつも計画を立てようとすると次から次へとこまごまとした用事が入るのでもうションボリしております (-_-)。だいぶ前の目論見では、暑いけれども食事が美味く「鉄」をするのも最高に楽しい台湾へ脱出し、今年の春に続いて台湾南部に残る客車ドン行を追いかけ回そうと画策していたのですが……。
 いっぽう、最近のRP誌でもページを割いて紹介していたように、日本の「鉄」趣味界においても徐々に台湾の鈍行列車の魅力に関する認知が徐々に高まりつつあるようですので (マジで良いっすよ!)、この際、台湾の「鉄」サイトの代表格である「台湾鉄○網」を毎日チェックしながら訪問に備えてためこんだネタを整理して、皆さんのご参考に供したいと思います。

(1) 屏東線の非冷房鈍行の一部が「冷気平快」に!
 高雄近郊の人口密度が高い地域を結びながらも屏東~枋寮が非電化なため、結局台湾で一番最後まで客車鈍行が豊富に残っているのが屏東線。しかしこのたび非冷房セミクロスの客車 (TPK32200形。インド製) の一部が、去る1月のダイヤ改正で余剰が出ていたデッキ付・転クロの冷房車 (SPK2300形。日本製) に置き換えられ、列車種別も「普通」から「冷気平快」になるようです (但し運賃は同じ)。去る2月に台湾を一周したとき、余剰となった冷房車が高雄に近い九曲堂駅の側線に放置されているのを目にして「勿体ないな~」と思ったものですが、いっぽう屏東県議会も台湾鉄路局に向かって「いつまで非冷房車を走らせる気だ?」とブーイングを起こしたそうで、そこで屏東線の運用をいじって非冷房車の一部を引退させることにしたのでしょう。(^^;
 残る非冷房車も、どうやら先は長くないようです。最近、日本車両か川崎車両あたりと台湾の客車製造メーカー・唐栄鉄工が合弁会社「台湾車両」を設立し、さっそく台湾鉄路局の通勤電車130両余り (デザイン的には、E231と小田急3000系と台鉄の既存の電車を足して3で割ったような感じらしい……^^;) を受注したそうですが、これが続々と完成すると多分嘉義~高雄間を中心に残る「冷気平快」客車鈍行を置き換えるのでしょう。そうすると、余剰となった「冷気平快」がさらに屏東線に入り、全ての鈍行運用が「冷気平快」になると思われます。
 というわけで、椰子の森を駆け抜ける鈍行の窓を開け放って南台湾の熱風に吹かれ、乾いたジョイント音に酔いしれる……という体験を楽しみたい方は、急いだ方が良さそうです。まあ、全て「冷気平快」になっても、被写体としては相変わらず極めて魅力的ですし、デッキのドアは走行中も開け放題ですが……(^^;)。
 ↑の画像は、台鉄で最早ただ一両のシルヘッダー付き現役車両となった超貴重な荷物車 (BK32350形。日本のマニ36を17mに短縮したような感じです ^^;) を連結した非冷房の客車鈍行です (^^)。

(2) 南州糖廠 (=製糖工場) の専用線ナロー、観光用として復活!
 ↑の画像を撮影した踏切の目の前にある南州糖廠は、台湾産の砂糖が国際的な価格競争力を失ったために閉鎖され、さとうきびを運ぶナローも放置されていたのですが (その様子は以前ご紹介した通りです。現役当時をナマで見たかった……)、先月から正式に観光鉄道として復活したそうです! とにかく雰囲気が良いので、観光用でも良いから乗って撮りたい……(と言うか、今年2月の時点で復活していてくれれば良かったのですが ^^;)。



(3) プッシュプル式自強号、故障続発でついに間引き運転……
 今から約10年前に韓国・現代精工から大量に購入したPP式の自強号……当初は電化区間における速達サービスの向上に大いに寄与したようです。しかし、やがて故障が頻発し始め、台鉄がアフターケアを要求したところ、現代精工は大宇重工あたり (確か) と合併してロテム社となったのを隠れ蓑に「知らぬ存ぜぬ」と開き直り、ついに10年経っていよいよ抜き差しならないほど故障が深刻になって稼働率が大幅低下したため、ついに台鉄は看板列車の間引き運転を決断、毎日数本が運休になっているようです。
 これに懲りた台湾の交通部 (=運輸省) と台湾鉄路局は、もう今後車両の入札から韓国企業を絶対に締め出すとカンカンなのだとか……。これで今後の台湾の車両増備は、自強号用の電車やDCは日本から購入し (例えば「白いソニック」885系と同型車を台北~花蓮間用として購入決定済み)、それ以外の客車・通勤電車は日本との合弁による自国生産という方向へ向かうのでしょう。
 それはともかく、乗っていた列車がそんなに故障しやすいとなると、乗り換えを強いられそうで面倒なことこの上ないですね (^^;)。そもそも韓国製PP自強号は、一応乗り心地は悪くないのですが、内装や椅子が安っぽいですし……(-_-)。
 というわけで、故障しやすく味気ないPP自強号を避けて、台湾でより味わい深くスピィーディーな自強号の旅をするための方法をご紹介しましょう。それはズバリ……西部幹線では時刻表に車椅子マークがついていない列車を、東部幹線では花東線まで直通するディーゼルカーを選ぶことです。西部幹線の車椅子マークがない自強号は英国・南アフリカ・イタリア製で、単に故障が少ないだけでなく釣掛式 (^o^) ですので、指定された席が電動車に当たれば快適かつ趣味的にも最高に満たされた旅となるでしょう……! 釣掛式といっても防音処理は完璧ですので、音を楽しむためにはたまにデッキに出ることが必要になりますが……(^^;
 ↑の画像は、南アフリカ製のEMU200形を最近再整備したEMU1200形の自強号。台北9時発の高雄行がこれでやって来ます。正面デザインがアレですが……音は素晴らしいです (^^;p