地味鉄庵

鉄道趣味の果てしなく深い森の中にひっそりと (?) 佇む庵のようなブログです。

さよなら東海道線東京口113系!

2006-03-17 21:31:46 | 国鉄型車両


 先週中頃から4種類の記念HMを掲げて最後の力走を続けてきた東海道線・東京口の113系。特に去る土日は、沿線の各撮影スポットや車内ともに大変な人出だったそうで、とてもさよなら気分には浸れないほどの状況も見られたとか……。
 そんな中、私はまず週末が仕事だったのに加え、わざと小田急江ノ島線沿線から藤沢まで遠回りして東京への往復に使おうにも「これはとても通勤ついでのお別れ鉄どころではないだろう」と予想したことから、敢えて東海道線沿いには近づきませんでした (^^;)。同じさよなら期間に立ち会うのなら、あくまで静かにしみじみと……というのが理想であり、それが (私鉄に比べて極端に「鉄」の数が多いJRということもあって)難しい状況であるのならば、日常的な風景のみを記憶にとどめておくのも悪くはないな……と思いまして。
 それでも、やはり東海道線の113系は、物心ついたときから実にいろいろな思い出ととともに愛用してきた最高に思い出深い車両のひとつです。そこで、僅かでも良いので記録できないものか……そして最後の力走を心に留めておきたいものだ、という想いも止みがたく、平日ならば恐らく撮り鉄・乗り鉄の数が減って日常的な雰囲気が増すだろうと予想しまして、昼から出勤することになっていた13日 (月) を選んで、超定番な駅撮りスポットにて申し訳程度にお名残撮影をしてきました。
 まず↑は藤沢にて。この列車が入線する直前に小田急で到着し、既に何重にも出来上がっていた人垣の後ろから望遠レンズをサッとかざしてうまく撮影できました (^^)。こういう時だけは、背の高い人間に生んでくれた親に感謝ですね……。藤沢駅は、何のかの言って東海道線を利用する際に最も多く利用して来ましたので、そんな馴染み深い駅でこうしてお別れシーンを決めることが出来て感無量です。
 このカットを撮影後は、そのままこの列車のモハに乗り、魅惑のMT54サウンドを横浜まで心から堪能しました (*^_^*)。車内はあくまで東京・横浜に向かう通勤列車の雰囲気なのが良いんですよね……。



 次はこれまた定番の新子安……ですが、一番人が多く集まる鶴見寄りのホーム先端は既に満杯で、しかもロープが張られていたり「三脚の使用は不可」というアナウンスがしばしば流れたりと、かなり緊張した雰囲気が漂っていたため、ホームがカーブを描いている横浜寄りの位置にて下り列車を後追いすることにしました(ここは私を含めて3人のみでのんびりムード)。通過時、京浜東北線の北行電車がカブリ続けていて「駄目かも……」と思ったのですが、ちょうど京浜東北線が発車した直後に最後尾が通過してくれましたので、何とか成功! (↑の画像は、ドアップ気味にトリミングしています。悪しからず……)
 こうしていつものように走り去って行く113系を眺めながら、当たり前過ぎた、それでいて常に慕わしかった113系の力走が、ダイヤ改正からはもう永遠に見られないことに、しばし悄然とせずにはいられませんでした……。春なのに……と唱う、かの名曲の気分そのものです (T_T)。

 改めて思い出してみると、箱根や伊豆への家族旅行、18きっぷ旅、神奈川県民としての日常的な区間利用……などなど、いろいろなシーンで113系とつき合ってきたものです。そして仕事が忙しくなってしまったここ数年は、深夜に確実に座って (しかも小田急や田都よりも速く) 帰宅するために、距離的には遠回りなのを承知で113系の通勤快速に乗り、品川から大船までノンストップというブッチギリの激走をやってのける113系の力強さに、一日の疲れも忘れて酔いしれたものです (^^)。

 そしてもちろん、東海道線を利用した人の数だけ、113系にまつわる思い出もあるのでしょう。高度成長期から今まで40年以上にわたり、さまざまな悲喜こもごもを乗せながら、天下の東海道線の第一人者として大きな事故もなく黙々と(しかしモーター音は賑々しく) 走り続けたその功績は、余りにも偉大だったと言わなければなりません……。

 さようなら。そして今まで本当にどうもありがとう。

さよなら小田急9000形!・HM編

2006-03-17 00:01:00 | 大手民鉄 (小田急)


 僅か3日間だけさよならHMを取り付けて、最後の営業運転に入っている9704F。小田急全線のどこで運用されていてもおかしくないことから、期待通りに出勤時などを狙って身近な江ノ島線で撮ることはまず不可能だろう……と諦めていました。ところが昨晩、いろいろネットを閲覧した結果、何と昨日 (16日) は自分の出勤時間にドンピシャに合わせるかのように、江ノ島線内各停運用に入ることが判明!! まさに千載一遇のチャンス、撮らない手はありません……!
 そこでまずは桜ヶ丘にて途中下車し、後追いながら完璧な順光で撮影しました。他の車両たちが、多くの場合忽然と運用離脱してひっそりと解体されて行ったのに比べ、非常に立派なHMも輝かしく最後の力走を続ける9407Fは本当に幸せな編成だと思います……。
 その後、1本あとの列車で北上し、相模大野で折り返してすぐに江ノ島行としてやって来る9407Fを中央林間で待ち構えました。何ともうれしいことに、ちょうど空が薄曇りに……! 影が出来るピーカン天気ですと、午前中の江ノ島線下り電車はまずうまく撮れませんので、このようなカットを撮ることが出来て本当にラッキーとしか言いようがありませんでした。
 そして9407Fは、かん高い走行音とともに軽やかに去って行きました……。車体のあちこちが本当に満身創痍であるにもかかわらず、それを感じさせない優美な姿を最後まで保ったことは、まさに9000形ならではのプライドなのでしょうか。
 一時代を築いた私鉄電車の星・9000形、その輝きは永遠に……!