地味鉄庵

鉄道趣味の果てしなく深い森の中にひっそりと (?) 佇む庵のようなブログです。

セマウル旧塗装動車、龍山で解体を待つ

2009-12-23 01:07:00 | 韓国の鉄道


 日本国内の鉄道事情は、先日発表された来年3月のJR各社ダイヤ改正によって一層激しく変わって行きそうですが、周りの国々もまた然り。『台湾鉄道網』が伝えるところによりますと最近台湾鉄路局は、2014年の花東線全線複線電化完成を見据えた新型車両購入計画を発表し、タロコなど自強用振子式車両136両(一部はDCで、南廻線に直通するものと予想)・通勤電車296両(!) を増備する旨を明らかにしましたが、これが予定通り執行されますと、5年後には現在の台鉄とは全く違った状況が……(@o@)。藍色普通車やDR2700といった非冷房車による定期列車は跡形もなく吹き飛び、キョ光・復興客車も大激減することは目に見えているという……(屏東線も潮州まで電化だしなぁ……と) 。そこで、これら新型車両の購入にあたっては競争入札にかけることとなったものの、韓国企業(ロテム?)が応札する予定であることに対して台鉄は激怒しているのだとか……。既に事情通の方はご存じの通り、台鉄は90年代に現代や大宇からPP自強用客車や通勤電車を大量購入したものの、ただでさえ故障が頻発しまくったのみならず、現代と大宇の鉄道車両部門が合併して発足したロテムは「そんなの合併前の話なので知らぬ存ぜぬ」とばかりに台鉄側のサポート要請を握りつぶしたという黒い歴史があります。そこで台鉄としては、韓国製車両など金輪際購入したくない……という激しい感情を抱いているものの、最近台湾は政府関連の競争入札にあたって如何なる国の企業をも差別扱いしない旨の協定を批准したとかで、結局国鉄である台鉄は韓国企業の応札を拒否できないという状況に……。いやはや、台湾と韓国の仲の悪さは(以下略 ^^;)。 



 そんな話に触れるにつけ、台鉄PP自強号のモデルとなった韓国PPセマウルのことを思い出すのですが (^^;)、韓国の場合はKTXの出現と拡充に伴いセマウルが削減されること数年。余剰となった中間の客車は最高に乗り心地が良いため、一部の車両がムグンファに組み込まれて特室扱いとなるなど活用されているのに対し、先頭の動車(一部は客室)につきましては使い道がなく、韓国独特の25年ルール(新造後25年で廃車にすべしというもの) もあってか、まだまだ手を入れれば使えそうな動車が大量に放置されてきました。去る7月のソウル訪問の際、余り撮り鉄する時間もなかったことから「お手軽コース」として龍山駅西側の陸橋に立ったところ……鮮鉄工場以来の由緒正しい歴史を持つ龍山工場の構内に、セマウル動車ばかりズラ~リと並んでいるという……。その数、軽く数えても10数両。既に離脱から久しいと見えて車体全体が汚れ果て、時速140kmで京釜線を駆け抜けた面影は薄れ……嗚呼もったいない!のひとことです……。
 その傍らには、京義線の複線電化で早速余った (?) CDCや、辛うじて旧塗装で残っている入換用DLの姿が。う~ん、まさにKTX開通前の韓国国鉄の姿が凝縮された最後の空間でありました……。
 ちなみに、いつもお世話になっております「ぱれっと」さんが先月、仁川空港でのトランジットついでに初めて韓国乗り撮り鉄を楽しまれた際、やはりここ龍山工場の眺めを楽しまれたのですが(と申しますか、私が事前にお手軽スポットとしてご紹介しました ^^;)、そのときには既にセマウル動車の姿はほとんどなく……やはり解体されてしまったようです。その代わり、京義線で余ったCDCをDCムグンファに改造するための工事が着々と進んでいるようでした。これからはKTX-2の増備や中央線複線電化・線形改良に伴うビチュロ用PP編成の新造、あるいはソウル広域電鉄で運用されている抵抗制御車1000系の置き換えが予想されるなど、韓国の車両動向も無視できないですね……。