地味鉄庵

鉄道趣味の果てしなく深い森の中にひっそりと (?) 佇む庵のようなブログです。

別所温泉に残る上田交通モハ5252の現状

2011-06-07 00:00:00 | 保存・園内・特殊車両


 旅行会社が完全に組み上げた団体バス旅行での訪問といえども、ひとたび別所温泉に至ったとなれば、自由時間を活かして上田電鉄の別所温泉駅まで散歩せずにはいられないのは「鉄」の性でありましょう (^^;)。宿に到着して北向観音を参拝し、ひとしきり同室の人々と温泉饅頭に舌鼓を打ちつつ、内閣不信任案をめぐるどーしよーもない茶番劇を流すテレビに向かって散々怨嗟の声を上げまくった後は (爆)、早々に大浴場に向かう同室の人々をよそに別行動モードに入りまして、駅と北向観音を結ぶ長~い坂をダラダラと下って駅へ。これまで別所温泉を訪れる際には、まず電車で駅に着いたのちヒーヒー言いながら坂を登って北向観音&共同浴場へと向かうのがMy定番でしたので、何だか順序が逆転したようなミョーな気分を禁じ得ませんでしたが、折からの大雨が止んだあとの湿り気を帯びた高原の冷気を深呼吸しながら周囲の瑞々しい緑、そして眼下の塩田平を眺めていますと、「あ~別所温泉最高!」という気分が盛り上がって来ますね……。何と言っても別所温泉は、はや中2の夏に上田交通の旧型車見たさで訪れて以来の思い入れたっぷりの地ですので……(*^^*)。その割にはいつも撮り鉄ついでに共同浴場に入るばかりで、宿泊は初めてだったりするのですが (^^;;;;)。



 こんな感じで別所温泉駅に到着した後は、とりあえず乗らずに保存車・モハ5252の前に直行~。今や本線との接続を絶たれたかつての留置線 (人力を活かしたサハの連結位置替え珍入換もこの留置線を活用……RP誌1984年4月増刊号に詳細が掲載) には長らく、元祖丸窓電車の誉れ高き古豪にして別所線生え抜きのスターであるモハ5251・5252が1986年秋の引退後保存されており、旧型車時代の繁華を思い出させる2両連結状態はなかなかの迫力 (?) すら感じられたものです。しかし、たまに塗装を上塗りして車体の状態を保つとしても、2両もあると費用面での問題が多いようで……2両中1両の引取先を募集する告知がネット上でなされたのは記憶に新しいところです。その結果、モハ5251は上田市内の高校に引き取られ、モハ5252が最も馴染みの地である別所温泉にて孤塁を守ることとなって今日に至っています。
 そんなモハ5252、駅の脇の駐車場から眺めますと相変わらずキレイに撮れないことに変わりはありませんが、その隣の地元消防団用作業スペースと思しき空き地にお邪魔しまして (^^;;;;;) 低い位置から眺めてみますと……ををっワンダフル! 上田方正面を入れてそこそこキレイに撮影することが出来ます (*^^*)。モハ5251との2両連結だった頃は、どうしても上手く編成or形式写真風に撮影することが出来なかったことから、これは大きな変化です……。
 肝心の保存状態は、塗り直しが数年前に遡るためか相当褪色が進み、車内もしばらく通気や手入れを受けていないためか木材の劣化もあり、さらに石をぶつけられて割られた一部の窓が痛々しい限り…… (ToT;; -_-メ)。お世辞にも良好な保存状態とは言えないように思われます。しかし、観光客向けにこの車両の縁起を紹介する立て看板も新たに掲げられていますので、いずれ改めて手入れも入り、永く別所温泉と別所線のシンボルとして鎮座し続けることでしょう……。
 ちなみに今回バスで移動中、旧丸子町役場南側・長和町方面に向かう道の脇にて、ED251が良好な状態で保存されているのを発見! また、精密機器会社の門前に鎮座するモハ5253を訪ねるには、下之郷~丸子町間のバス (かつての西丸子線の名残……こんな人口も少なく長閑なところに何故支線があったのか??と不思議な気分になりまくり ^^;) を利用すると呆気なくたどり着けることも判明! 両者の前を一瞬で通過する貸切バスに揺られつつ「ああっ!ここでオレだけ降ろしてくれぇ!」と叫びたい気分だったことは言うまでもありません (笑)。