海に生きる街・那珂湊の生活と観光の足にして、ローカル私鉄ファンの聖地でもあるひたちなか海浜鉄道は、震災による路盤崩壊や軌条破断など深刻な被害を受けながらも必死の復旧努力を続け、ついに去る25日から中根~那珂湊間での仮復旧・営業運転を開始、その模様は各メディアでも震災復興のひとつのシンボルとして大々的に伝えられたところです。遠来の一ファンである私としましても、去る黄金週間の那珂湊駅DCまつりの圧巻ぶりに改めてこの鉄道の魅力に感じ入り、是非復活の瞬間を見届けたいと思ったものですが……残念ながらこの日は、仮復旧日時の発表がなされる前に外せない仕事を入れてしまいました (苦笑)。というわけで仮復旧2日目の昨日、1日遅れで仮復旧の模様を眺めてみることにしまして、上野発11時30発のフレッシュひたちに乗って勝田に到着~。さっそく代行バスに乗り (今回は代行バスでもちょっとしたサプライズが!……その模様は改めて)、中根駅入口にあたる三反田小学校前にて下車、1往復目は撮影のみで再び代行バスで那珂湊駅に向かい、那珂湊での撮影後バスで中根へ、中根で2往復目を撮影後仮復旧列車に乗って那珂湊へ……という要領で、しっとりと鮮やかに緑あふれる田園地帯にディーゼルカーの足音が戻って来たひとときを満喫したのでした……(^O^)。
ところで、この鉄道を何度も訪ねたことがある慧眼な方でしたら、「あれ?今回の画像は中根~那珂湊間ではなく、金上~中根間のものではないか? 本当は現地に行っていないのでは?」と思われるかも知れません。いや~お目が高い!(笑) 確かに今回アップの2枚の画像は金上~中根間のものです……。そのからくりはと申しますと……ひとえに中根駅那珂湊寄り踏切の作動の都合によります。那珂湊から中根に到着後そのまま引き返すというやり方では踏切を作動させられないため (?)、だいたい中根駅から数えて2つ目の踏切 (三反田第4踏切) の先まで移動してしばらく停車したのち那珂湊へ向け折り返すという要領となっています。仮復旧が発表された当初、中根駅での折返しに要する10分間につきまして「金上まで回送して路盤を踏み固めるためでは?」と予想した私ですが、実際には中根から金上まで向かい、乗務員氏が前後移動して再び戻って来るまでの所要時間としては10分間はタイト過ぎるわけで……(^^;)。要は10分間の中に、田んぼのド真ん中までの片道約500~600mの往復が含まれているということです、はい (^^;;)。
1往復目と2往復目の両方を観察したところ、中根駅から先の往復小運転は運転士氏によって要領にちょっとした違いがあるようで……。1往復目は中根に到着し客を下ろしたのち割とすぐに発車、田んぼのド真ん中到着後の停車時間が比較的長く、しかもしばらく行先幕に「中根」を表示したままでしたので、「よっしゃ!2往復目でその模様を間近に撮りまくってやろう!」と目論んだ私。そこで、霧雨が降るか降らぬかという天候ではあったものの、しっとり湿った緑の谷戸に目の保養を感じつつ、2往復目を待つことしばし……。確かに中根に到着したものの、なかなか金上方にはやって来ないことに猛烈な不安を覚えました (滝汗)。やがて列車は動き出し、無事三反田第3踏切の辺りで停止しましたが、中根発の時刻は決まっている以上、ここでの折返し時間は相当短い……! 停車中にパパッと撮るものを撮って、約700~800mの道をダッシュしなければ、中根駅への入線シーンを撮ることは出来ないのみならず、那珂湊への乗車も不可能となります……(中根入線前に踏切が閉まるためです)。そこで、普段運動不足の身でありながら、停車中シーンを速攻で撮った後とにかく走りまくってギリギリセーフ!! (@o@;) 涼しい一日ではありましたが、この猛ダッシュで一気に汗が噴き出、記念すべき中根~那珂湊間の乗車も頭が朦朧として半分上の空 (笑)。帰りのフレッシュひたち車内では、空きっ腹に500mlの缶ビールを一気に流し込んだ次第です (^^;)。
中根駅に停車中の中根行という……あくまで期間限定・短時間のシーン。
那珂湊での発車待ちのあいだは中根行を表示したままですので落ち着いて撮影可。