地味鉄庵

鉄道趣味の果てしなく深い森の中にひっそりと (?) 佇む庵のようなブログです。

ネパール・カトマンズ盆地周辺バスの旅

2011-09-12 00:00:00 | アジア諸国の路線バス


 3.11から半年経ったということは、個人的には……その翌日の昼過ぎに京成が成田空港まで通じ、成田空港も辛うじて再開できたため、混乱の中を香港・ネパール旅行に出発できてしまったという奇跡を経験してから半年でもあります。香港(&中国広東省)・ネパールでの撮り鉄・撮りバスの内容は既にいくつかアップしましたが、そういえばカトマンズ滞在中にもっぱら利用していた路線バスについては後回しになっていましたので、備忘録として記しておきたく存じます。
 1枚目の画像は、カトマンズの東南に位置する古都にして衛星都市でもあるパタン(ラリトプル)のバスターミナルでの撮影。インドで進む経済発展の影響は北にあるヒマラヤの国にも及んでおり、カトマンズ中心部と周辺の都市を結ぶバスはタタ社やマヘンドラ社といったメーカーで生産された最新鋭(?)の小ぎれいなバスで占められているのが実情ですが、衛星都市からさらに田舎の町に向かうバスは昔気質な (?) ボンネットバスでした♪ 乗ってはいないのですが (^^;)、ををっ、まだある☆……というわけで激写しまくり (笑)。



 一方こちらは、一見するとただのタタ社製ミニバスに過ぎませんが、走っているところがスゴい……。ヒマラヤの大展望を期待して、標高2000数百mのお立ち台・ナガルコットを訪れたところ……嗚呼~空気がモヤモヤで何も見えないという……(号泣)。通常このナガルコットを路線バスで訪れる場合には、まずカトマンズ中心部から東の古都・バクタプルに向かい、徒歩でバクタプル市街を横断のうえ北東にあるカマール・ビナヤクBTからナガルコット行に乗ることになりますが (カトマンズから直接カマール・ビナヤクに行くバスもあるものの、現在道路工事中のためいずれにせよ要徒歩連絡)、折角カトマンズから3時間かけてナガルコットまで来て、ヒマラヤを何も見ずスゴスゴと今来た道を引き返すのはつまらん……。そこで、目の前に停まっていたミニバスに「何処へ行くのか?」と英語で訊いてみたところ (英語が大体通じます)、カトマンズ北東の鄙びた古い街・サクーへ行くとのこと。そういえば……『地球の○き方』にも、カトマンズ~ナガルコット間のバリエーションルートとして、古い宿場町や尾根道をたどるサクー経由の道程が紹介されているのを瞬時に思い出しました。
 というわけで、この小さなバスに乗り込んで、デコボコ尾根道の旅に出発進行! しかし……残念ながら空気がモヤっているため、折角超絶な段々畑が眼下に広がる狭隘急峻路を走りながらも、展望の広がり具合はイマイチ……。空気が澄んでいれば、ヒマラヤの雪山を望みながらの壮絶な車窓展望なのでしょうが……。
 ナガルコットから30分ほど走ったところで小さな村があり、ここから道は緑の谷沿いに。ほどよい気温・湿度に加えて広葉樹が道の両脇を覆い尽くしている雰囲気は、全く以て日本の林道とそっくり……。思わず気分が安らぎます。また、気がついてみればこんな小さなバスに日本人が4人も乗っており (皆さん『○き方』を読み込んでいますなぁ~)、ひとしきりネパールの旅の話題や大震災事情などを情報交換したのでした……。同胞同士、助け合いが基本です……。
 というわけで、約2時間少々の小さなバス旅はサクーの街で終了~。かつてチベットとの交易路上の街として栄ながら、今や中国・ネパール公路にお株を奪われてすっかり寂れたサクーの街は、全く観光地ではないにもかかわらず往年の家屋や商館がズラリと立ち並ぶ魅惑の街でした。こことカトマンズの間はバスが頻発していますので、将来再びカトマンズを訪れた際には是非再訪したいところです。 


 世界遺産となっているパタンの王宮。歩き疲れたら、そんな絶景を見下ろすレストランでミルクティーを……というのはネパールの旅における最大の楽しみの一つです。[[pict:item5]



 ナガルコットからサクーへ向かう尾根道。カラカラに乾いて蒸し暑いという、何とも訳の分からん天気……。段々畑は本当に見事です。