地味鉄庵

鉄道趣味の果てしなく深い森の中にひっそりと (?) 佇む庵のようなブログです。

岡山国鉄漫遊2011 (2) 湘南色万歳!

2012-01-16 00:00:00 | 国鉄型車両


 先週・先々週土曜日の夜9時から某国営放送でやっていた新春2回きりドラマは、主人公のオッサンが働く日通支社と思しき車扱貨物扱所の雰囲気がなかなかシブく (スイッチャーとワムも多分実車でツボ)、さらには息子がW大学に合格して広島から東京に旅立つ際には湘南色の113系700番台が舞台装置として前面に押し出されるなど、何気に鉄分濃いめな雰囲気が漂っていたのですが、それにしても思うのは、近い将来湘南色の営業車両が消滅することは確実である以上、この手の「湘南色が圧倒的に支配的だった昭和40~50年代の国鉄直流電化地方路線沿線を舞台としたドラマ」をそれっぽく再現するのは限りなく難しくなって行くのではなかろうか?ということです……。まぁ厳密にいえば、昭和50年代の広島で113系700番台が走っているということ自体がダメ出しなのかも知れませんが (笑)、辛うじて80・153・115系0番台に近い雰囲気の車両として、京都から103系置き換えのために流れてきた湘南色編成が抜擢されたのはやむを得ないことなのでしょう。そういえば、労働運動華やかなりし頃を再現するために関鉄キハ350を水色に塗って京浜東北っぽくしたという苦肉の策的事例もありますし……(^^;)。歴史的な舞台装置としての鉄道車両という価値に着目するならば、ある時代の代表的な車両を動態保存することが望ましいわけですが、車両は老朽化し鉄道会社の経営も苦しい以上、今後この手の撮影にあたっては、辛うじて代役となる車両が見つからなければ、別の車両に当時の色を塗る「なんちゃってリバイバル作戦」が一般化して行くことになるのかも知れません。この点、旧型客車を使うということであれば大井川鉄道やJRE高崎という強力な存在があり続けると思われますが、EC・DCは……「走るんです」の湘南色やスカ色、あるいはJREのハイブリッドDCに国鉄急行色なんて、奇想天外すぎて卒倒するかも知れません (でも人気は集まりそうですが。笑)。



 というわけで、実は鉄道車両を使って高度成長期ものドラマ・映画を撮るという点において、今こそ最後の旬なのかも知れません。バスやクルマは公道を使って保存車両を自在に融通すれば済む話ですが、鉄道車両はとにかく地域・路線・車齢の縛りがキビシイですから……。某ウリナラに負けず国が主導して和製エンターテインメントの質と魅力を上げるのであれば、舞台装置としての鉄道車両の保存にも力を入れて欲しいものですが (この点、恐らくロテムを繁盛させるために車齢25年であらゆる車両が廃車を強いられる財閥国家ウリナラでは、絶対に時代がかった鉄道動態シーンは撮影できません)、先立つものは全てカネであり、昔と違って財政難なご時世。たまにしか撮らないシーンのために膨大・多様な動態保存車両のストックを保つべく各鉄道会社に助成するのは難しいのでしょうか。鉄道会社の枠を超え、しかも構内に直流1500Vの架線つき線路 (出来れば交流20000Vも) を備えた一大動態保存博物館・撮影所のようなものを、国営または寄付金で運営することが出来れば夢のようですが、まぁ保存鉄道大国・英国でもないですしムリか (汗)。そういうものが古くからありさえすれば、解体されずに済んだ釣掛式電車も多々あったでしょうに……。73・80系や153・165系といった、高度成長期における一般大衆のマストアイテムなどなど……。
 まぁ、こんなことを貧乏人のへっぽこブログで愚痴たれていても仕方がありませんので (^^;)、おっとそういえば湘南色です。去る10月上旬、骨折からの撮り鉄復帰第一弾として出張先の岡山で国鉄型車両にレンズを向けた際には、期待通りに湘南色の113・115系も来てくれました! (*^^*) とくに感動したのは、京都から転属してきた113系700番台 (高速化対応が解除されたため、5700番台の車番のうち5が塗りつぶされ、ハイフンの隣りにミョーなスペースが空いています ^^;) が快速「サンライナー」として激走していた1枚目のカット! 快速岡山幕に押込式ベンチレータも凛々しく天下の大動脈を高速でブッチ切るその姿は、編成こそ短いものの東海道線での現役時代を彷彿とさせるようでメロメロです……☆ タマ数が圧倒的に少ない岡山の113系は4連単独運用で用いられているようで、117系の単独4連と共通であれば狙いにくいかも知れませんが、快速サンライナーで乗ってみる価値は絶大だなぁ……と思った次第です。いっぽう115系300番台は、既に岡山流のベンチレータ撤去・正面LED化が施工されてしまいましたが、黄色化が進む中こうして湘南色で来てくれるだけでも有り難や……という感じですね♪ 

※1/22補記:ご指摘を受け、快速列車の名称を正しいものに修正致しました。