常に変化絶え間ないインドネシアの鉄道事情、先月訪問した際にも浦島太郎気分でしたし、その後伝わって来る情報も驚きの連続ではありますが、とりわけいつもお世話になっております『JABODETABEK COMMUTERS NEWS』様が速報で伝えられた最新のダイヤ変更の話題には衝撃が走りました……。何と、ジャカルタで唯一、割と頻繁に (?) 客車鈍行が運行されてきたスルポン=バンテン線において、本日から大幅なダイヤ変更がなされ、これまでジャカルタ市内まで顔を出していた客車鈍行が全てパルンパンジャン~ランカスビトゥン間に短縮されるとのこと! そこで、ジャカルタから各駅停車の列車でパルンパンジャン以遠へ行く場合、マジャまでの直通電車に乗るか、またはパルンパンジャンまで電車→パルンパンジャンでランカスビトゥン行の客車鈍行に乗り換える必要が生じることになります。
まぁ、ここまで205系が増え、しかも埼京線や横浜線の追加編成の試運転が続々と続いていることから、パルンパンジャン以東で客車鈍行を置き換えるだけの電車の本数が揃ったということでしょうか。
もっとも、これでスルポン=バンテン線の客車列車が完全にジャカルタ口から姿を消すわけではなく、今後も引き続きタナアバンとランカスビトゥン以遠を結ぶ急行・快速列車 (そしてメラクからジャカルタを経て東ジャワに向かう急行クラカタウ)は残ります。ジャカルタとランカスビトゥンの間の直通需要はそれなりにあるはずですので、この手の座席定員制快速サービスは増やして欲しいものです。しかし、とにもかくにも鈍行は一気に消えるということで、ボロくガタピシ揺れる車内に物売りや乞食がやって来るという独特のカオスな風情が大都会ジャカルタからまた一つ消えるのは、時代の流れとはいえ寂しいことです。今後、ジャカルタ首都圏でこういう雰囲気を味わおうと思ったら、ジャカルタコタとプルワカルタを結ぶ鈍行に乗るしかありませんが、これもいずれチカランまでの電化が完成すれば間違いなく消えるでしょう。あるいは、それを待たずにブカシで乗換になる可能性もゼロではありませんが……。
なお、実は個人的に、パルンパンジャン駅やティガラクサ駅 (マジャの2つ手前) の2面4線の偉容を眺めるにつけ、早晩スルポン=バンテン線の客車列車はこれらの駅で電車と乗換になるだろうと予想しておりましたので、今回の訪問時には (連載を始めたばかりの) 西ジャワ大周遊と並んで、ランカスビトゥンまでの半日 (?) 鈍行旅を敢行した次第です。その模様は西ジャワ大周遊ネタの終了後にアップしますが、まさか訪問から僅か半月後にそうなるとは全く予想しておりませんでした……。すっかり線路市場が衰退してしまったドゥリで、盛時をしのびながらスルポン=バンテン線の客車鈍行を激写したのも、見事に2014年のダイヤ激変直前の貴重な記録となってしまったようです……。とりわけ、壊れたDCを客車化した地獄のロングシートボロ客車 (1枚目) は依然として非冷房であることから、真っ先に余剰廃車 (または地方の通勤用に転用) となると予想……。
あとそういえば……全席自由席で客車鈍行料金の快速列車としてランカスピトゥン以遠に行く「Patas Merak」は、果たして廃止になるのかどうか?? これもやはりパルンパンジャン乗換なのでしょうか? 以前は地獄のロングシート客車で運行されていたものが、最近はボックスシート客車に変わり、しばらく安泰かな?と思っていたのですが……。
【9/2補筆】パクアン急行様のブログにおける解説によりますと、
(1) 非電化区間のランカスビトゥンまで完全に電車運賃・ICチケットの範囲内に。
(2) タナアバン~ランカス間の急行・座席定員制快速の客レも廃止。マジかよ……。
(3) 但し8連の不足により当面ダイヤ改正実施されず。横浜205の運用入り待ち。