地味鉄庵

鉄道趣味の果てしなく深い森の中にひっそりと (?) 佇む庵のようなブログです。

タイ国鉄のGE製古典DL、あと2~3年で見納め

2014-09-08 00:00:00 | タイの鉄道


 東南アジアの鉄道が少しずつ確実に変わっているのは、半世紀以上前の日本製旧型客車が未だに第一線でゴロゴロ走っているタイとて全く同じようです。先日、中国の鉄ヲタサイト『北京鉄路車迷網』を閲覧していたところ、ここ2~3年来話がありながら延び延びになっていたタイ国鉄の中国罐購入話がこのたび正式にまとまり、10月に第一陣がタイに到着するようです。最近、タイで軍政が発足して以来、国際的批判に晒された軍政と中共が接近しつつあるといわれ、それがタイの高速鉄道計画にも影響を及ぼす可能性あり……という話が伝わりますが、今回のDL購入話はまぁとりあえず以前からの話であり、直接軍政云々とは関係ないでしょう。しかし、もし性能面で安定し、タイ国鉄が今後中国の鉄道技術に依存してもOK、マイペンライ~♪と思ってしまうとしたら、日本の市場開拓にも影響が出ることでしょう。頑張れパープルライン!



 それはさておき上記サイトには、既に南車・戚墅堰で落成したDLの画像が掲載されています (形式は5101形となる模様)。黄色と花紺色のド派手な箱形罐ですが、基本的に中国のDLのデザインはそれほど悪いものとは思いませんので、まぁしゃぁ~ねぇ~なぁ~という感じです (某ウリナラ製の機関車よりは全然マシ、ということ)。そして、驚いたのは意外とチープで貧弱なスペック。とりあえず書き込まれている内容によると、電気式ではなく液体式で、最高速度は100km/hとのこと。要するに、昆河線のメーターゲージ液体式DL・東方紅21のすっかり古く成熟した技術をそのままリファインしただけで、新たな技術的イノベーションは何もないようです。まぁ、安くても安定したDLを購入したいタイ国鉄と、なるべく失敗とはほど遠い技術を売りつけることで得点を上げたい中国の鉄道産業の利害が一致した結果とみるべきかも知れません。
 そこで、鈍足で非力な罐が入るということで、基本的にはローカル客車列車や貨物小運転を中心とした運用に入るのでしょう。まぁ、置き換える対象であるGE製の古典罐4001形がそのような使われ方となっているため、丁度良いといえば丁度良いということで……(そこで最初からスペックダウンで割り切ったと解釈することも出来ます)。すると、自ずとナムトク線列車をはじめバンコク界隈でも急速にこの新型非力中国罐が存在感を増すことが予想されるわけで、今年は20両、来年と再来年は約20両前後入ることによって4001形を全廃するとのことですので、この古典罐を撮りたい方はお早めにどうぞ……。軍政になってから撮影されたクルンテープ駅の画像も結構ネット上にあるようで、軍政はどうやら撮り鉄に対して手荒な態度には出ないものと思われますし……(もちろん個別の場面ごとにご判断下さい。制止されて撮れないという事態があっても当ブログは責任を負いません)。