今回、乗る等級の選択にとにかく大失敗した「シリワンギ~パンランゴ」号の旅ですが、車窓風景そのものは、本当に瑞々しいジャワの自然と田舎をたっぷり堪能できます。ただ、チアンジュール~スカブミ間は幅の狭い谷沿いの山村を縫うようにして走るため、開けた台地・盆地の中を走るボゴール~スカブミ間と比べるとイマイチかな、という印象もあります。やっぱ、窓が開くDCでボゴール~スカブミ間を日中往復できた2年前がサイコーでした……。
チアンジュールからスカブミまでは、道路の方が圧倒的に近道で速いため、列車の客は哀しいほど少なく、早くバンドゥンまで全通しないと廃止になってしまうのでは……とヒヤヒヤするほど。乗る分には空いている方がサイコーですが、そんな1等車でも必ず大声で会話する2人組が乗って来て鬱になるんですよね……。大音量ビデオと合わせ、全然音鉄的には楽しめない (T_T)。
というわけで、スカブミではある意味騒音のるつぼ (爆) から逃げるように、長時間停車にかこつけて車外に脱出し、2年前のDCブミグリスが停車している風景を思い出しつつ激写に励んだのですが、その際に各駅で少しずつ拾ってきた客はほぼ全員下りてしまいました (1等車には途中駅で1人しか乗って来ませんでしたが、3等車は小まめに客を拾っていた模様)。どうやら、主要道から遠い沿線の住民にとって、山間の小都会スカブミに出るための便利な手段として認知されてはいるようです。いっぽう、約30分ほど停車しているあいだ、客がホームにどんどん集まり、発車時刻が近づくにつれデッキが賑わいを増して行きました。その結果、いつの間にか1等車はほぼ満席に! ボゴール~スカブミ間は並行道路でも1時間半ほどかかり、ボゴールでは頻繁運転の電車と乗り継げますので、「パンランゴ」はスカブミ市民にとってそれなりに便利な足として急速に認知されているようです。なるほど……KAI公式サイトで予約照会をしてみますと、直近の土日のボゴール~スカブミ間は往々にして満席になっているわけです。すると今後は、スカブミを境とした極端な旅客需要の違いにダイヤ編成上どう対応するのかが問題となるでしょう。
そんなこんなでスカブミ発車後は、チサアアト駅で大規模な貨物ホーム建設風景に仰天し、チチュルグ駅でアクア(ミネラルウォーター)積載風景に「アクア列車撮りてぇ!」と内心叫びつつも、以前窓を開けて眺めた風景が雨とスモークガラスで真っ暗気味であるのと、イイ加減疲れもたまってきたため、車内ビデオを眺めたりウトウトしたり……。やがてチゴムボンを発車するとボゴールへ向け下降し、定刻17:50にボゴールに到着したのでした。
チアンジュールを発車するとしばらくこんな農村風景が続きます。
中学生 (?) の集団が帰宅中。
山村に沿ってのんびりと……。
スカブミが近づくと、美しく伸びやかな盆地の風景が広がります。
列車本数は少ないものの、沿線人口はそれなりに。
チチュルグ駅にはアクア (ミネラルウォーター) 積載スペースが出現。
チゴムボン駅を発車、腕木信号をかすめつつボゴールへの下り勾配に。