地味鉄庵

鉄道趣味の果てしなく深い森の中にひっそりと (?) 佇む庵のようなブログです。

南東北鉄周遊2015 (9) 架線下の陸羽東線キハ110

2015-07-24 00:00:00 | JR発足後の車両


 仙石線の長らくの運休区間は高城町~陸前小野間となっていましたが、代行バスの運転区間が何故松島海岸~矢本間だったのかと言えば、単に乗換のしやすさによります。しかし今回は折角の機会。陸前小野で折り返す陸羽東線カラーのキハ110を撮影したいものですし、何と言っても大勢の乗換客とともに矢本駅で待つよりも、一足お先に陸前小野駅で悠々のんびりと石巻行車内のボックスシートに収まる方が良いと思いましたので、一足お先に陸前小野で代行バスを下車、100数十mを歩いて陸前小野駅に向かいました。
 ところが……既に代行バスの車内で覚悟していましたが、空はかなり暗くなり、凄まじい勢いでにわか吹雪が吹き付けまくり……。震災当日やその直後もこんな天気だったようですので、津波に流されてしまった大地をバスで横切りつつ、期せずして4年前のその日の情景を追体験してしまったことになります。そして風の強さは代行バスの停留場から駅に行く途中にMAXに! 駅舎を目前にして、体が飛ばされそうなほどの突風が襲い、体感温度は零下10数度以下となってしまったという……。私自身は登山や海外バックパッカーとしての経験から、これくらいの気候の急変は何てことありません。しかし、甥っ子は完全に参ってしまい、駅の売店 (乗降客がまだまだ少なかったのに営業中!) で菓子をかってやった後は戦意喪失、待合室でヌクヌクすることになったのでした。



 というわけで、私一人で再び待合室の外に出て、ホームを挟んで反対側の公道へ! 石巻から架線下を走って到着する陸羽東線という、間もなく (そして目出度く) 消えようとしている光景を確実に記録することが出来たのでした。その後は、折り返し時間が限られているため速攻で駅に戻り、甥っ子とスカスカな車内に収まって石巻を目指したのですが、いや~~外気との体感温度差が激し過ぎて、そして無事プラン通りに仙石線乗継&撮影をこなすことが出来たことで、一気に疲れが襲ってきました。
 その後矢本にて、予想通りに代行バスからの客がドドッと乗って来たあとは、復興途上の街を眺めつつ石巻へラストスパート!……とはいっても駅間がさほど開かないこともあり、飛ばしはしません。次にこの沿線風景をDCの車内から眺めるとすれば、仙石東北ラインの車内からだな……と期待しつつぼんやりとしていると、やがて天気は夕晴れとなり、あの極寒な悪天候は何だったのか……と呆然。しかしまぁともあれ、石巻焼きそばの何たるかを味わいにやって来た遠来の客を、この急に回復した天候が歓迎してくれているなぁ~と思いつつ、古き良き雰囲気を残した石巻駅に到着し、駅近くの店でたらふく焼きそばを激賞したのでした。
 このあと仙台への帰路は、これまた仙石線全通によって消えた「直通快速」に乗ったのですが (右下にショボい駅撮り画像を載せました)、小牛田駅で留置線に入って乗務員交替するため停車扱いにならないのは面白いなぁ~と思いつつも、東北線内でのダイヤが完全に寝ていて何だかガックリ (^^;)。とはいえ、そんな過渡期の列車に乗った上で、その後の新たな歴史を目睹する足がかりとなったわけですから、これはこれで貴重な機会と思わなければいけません。
 とまぁこんな感じで、最後は『はやぶさ』に乗って大宮に戻ったのですが (大宮からさらに上野東京ラインで横浜へ)、甥っ子はハードな撮り乗り鉄の一日ですっかり疲れ切っていたためか、一番期待していたはずの「はやぶさ」でウトウトしてしまったのでした (夜だしなぁ~)。まぁまた乗って景色を見たければ、自分でお年玉でも貯めて乗り給え (笑)。

 以上で、3月の南東北鉄レポートは終了。いつの間にか寒い季節から酷暑となってしまいましたが、ご覧頂き誠にありがとうございました。