地味鉄庵

鉄道趣味の果てしなく深い森の中にひっそりと (?) 佇む庵のようなブログです。

能勢電1500系引退 (3) 青白1560F

2016-06-23 00:00:00 | 都市民鉄 (近畿以西)


 能勢電鉄の1500系は昨日を以て安全無事のうちに運用を終えたとのこと、半世紀以上にわたる活躍、どうもお疲れ様でした……。そしてこの1560Fの、改造により貫通扉窓がデカいマスクに、50/60形のツートンカラーを塗った、今ひとつアンバランスながらもそれがまた良い風貌も見納めとなりました。恐らく今月に入ってから、山下駅の先端部は連日ヲタの皆様で賑わったことでしょうが、そうなる前の先月の時点で日生線運用に入っているシーンを激写することが出来 (前回訪問時は妙見口運用)、本当にラッキーでした☆



 そして今回は、1560に乗って日生線完乗を果たしました (今さらですが、乗りつぶし派ではないので未乗路線・区間はまだまだいっぱい ^^;)。山下駅発車直後の急カーブの印象から、日生線内は大して速くないのだろうと思いきや、実際にはその正反対で、起伏が多く緑が豊かなニュータウンをブチ抜く複線の高架を僅か2連がビシバシ加速して行くのにはシビれました。しかも昼過ぎということで車内は空いており、昭和30年代気質なモーター音が激しく車内に響き渡ります。あと1ヶ月少々で引退ということは全く想像も出来ない飛ばしっぷりでした・・・。僅かな時間で日生中央に到着し、サクッとニュータウン的なコンコースや駅前を見物しただけで、すぐに再び1560Fに乗って山下に戻ったのですが、ヲタは他に誰も乗っていない「自分だけのさよなら運転」を味わい、川西能勢口行きに乗って別れを告げたのでした。
 ともあれ、又しても昭和30年代製の車両が引退したのは残念ですが、今後1560Fに代わって走り始める5100系の青白ツートン車は、これはこれでなかなか似合っており、またいずれ再訪するのを今から楽しみにしております☆

ハノイ以北サウナ鉄 (4) D19Er単機

2016-06-22 00:00:00 | ベトナムの鉄道


 ケップ駅での罐換えシーンでは、実に意外な美味しいおまけが付いて来ました。何と……イェンビェンからここまで連結されていた貨車は全て、マオケ行きではなくドンダン行き(そして中国行き)ということで、ハロン行き客車とは切り離されたのでした。そして、ここまで編成最後尾に無動回送で連結されていた、ベトナム国鉄標準軌罐の「最新」型・D19Erが「グォーン」とエンジンを起動させ、やがてザーラム方へ。ハロン線本務機のD14Eがドンダン方からザーラム方へ走り去るのを激写して間もなく、ホームの南端あたりで両機がすれ違うという滅多に見られない光景が展開しました……。装着していたレンズは24-70mmですので、撮ろうにも小さすぎ、ただポカーンと口を開けて眺めるのみ……あな口惜しや! その後このD19Erは貨車編成のドンダン方に連結され、中国行きの車扱貨物オンリー列車の一丁上がり!

 

 それにしても思うに、
*D14Eの次位に、当面無動回送扱いでD19Erを連結。
*イェンビェン~ドンダン間の通しでD19Erが本務機を務め、D14Eはケップまで最後尾の無動回送、ケップで初めてエンジン起動。
……以上のいずれかにしていれば、こんなややこしい入換をする必要もないと思うのですが、本務機は常に先頭、無動回送機は常に最後尾、といった内規でもあるのでしょうか?! まぁ、おかげで面倒な入換を激写して楽しむことが出来たので全く結構なことですが……(笑)。
 それはさておき、滅多に列車が走らない (?) ベトナム国鉄標準軌用の罐にしては、やけにナウ (^^;) な雰囲気のこの罐……。他の最近のベトナム国鉄罐と同じく、四川省にある中国南車(現・中車)資陽工場製ですが、HUU NGHI(友誼)という愛称が付けられているあたり、南シナ海問題で中越両国が些か険悪な関係になる前の、経済面と共産党間交流を中心とした中越関係の「蜜月」を象徴しているのかも知れません。もっとも、中越関係がかなりヤバくなったとは言っても、ベトナムとしては特に北部の経済を盛り上げる上でも中国との関係を重視しているわけで、この罐が愛称通りに中越間の交通の担い手として今後も倍加して活躍できるかどうかは、あくまで中共次第といったところでしょうか。

 なお、D19Eという名称は、そもそもメーターゲージのドイモイ型機関車が名乗っているわけで、全く風貌もデカさも異なるこの罐が「r」を名乗っている意味は果たして如何に?! まさか、基本的な機関や出力は同じで、単にゲージや車体が異なるだけとか……と思いググってみたところ、漢語版ウィキペディアと資陽工場の製品紹介でその通りの説明がなされていました (汗)。D19Erは計5両しかない少数派のため、タマ数が多いD19Eと機器を共通化することでメンテの便を図っているようです。一方、この罐には「SDD3 0005」という中国風の車番が付され、何やら不思議な感じがしますが (D14Eには無い)、もしかすると保安機器などがCNR直通に対応しているのかも……と思いきや、資陽工場製の外国向けDLには広く「SDD」という形式名が付けられているようです。トルコ向けの機関車は「SDD10」だったり……。しかし「資陽 Ziyang」なら何故「ZDD」ではないのか……(真相は不明)。

能勢電1500系引退 (2) 深緑1550F

2016-06-21 00:00:00 | 都市民鉄 (近畿以西)


 阪急2100系あらため能勢電鉄1500系は周知の通り、阪急5100系の導入によって今年に入ってから急激に数を減らし、去る5月下旬には4連が運用を終了しましたが、残る2連2本となった1550・1560Fの活躍もついに明日までとなる旨、公式HPにて告知されています。そして、代わりに投入される5100系の2連2本は、1本が青白ツートン、もう1本が茶クリームツートン (公式HPによると「ティラミス」と呼ぶのだとか) となり、このダークグリーン・レトロ塗装は見納めとなります。



 まぁ正直、阪急2000系以降の張り上げ屋根・大窓標準ボディには、唐草模様にオレンジ窓枠という塗装は如何にもデザインとして「浮いた」感じがして、個人的にはビミョーだったのでした (この塗装の登場当時は銀窓枠のままだったようで、こちらの方がまだ「地方民鉄旧型車のアルミ窓枠化車」というストレートな印象で良かったかも)。とはいえまぁいずれにせよ、高度成長期以後の車両でも大正レトロモダンな雰囲気を何とか表現することに果敢に挑戦したという意味で、この1550Fには歴史的な意義があったのかも知れません。あと、先月下旬に山下駅を訪れた際には、この編成は妙見口運用に入っており、前回訪問時は日生中央運用でしたので、両方撮れて良かったなぁ~と思っています。

ハノイ以北サウナ鉄 (3) D14E単機

2016-06-20 00:00:00 | ベトナムの鉄道


 トゥーソンを朝5時半前という大幅遅延で発車したハロン行き混合行商列車……とはいっても、所詮最高速度は30km程度しか出ず、それ以上飛ばせば老朽化の極みに達した客車が凄まじい悲鳴を上げてバラバラに分解しかねません (汗)。というわけで、あちこちで工場や宅地の開発が進むバクニン 北寧 省を、脇の国道を行く車にバンバン追い抜かれながらチンタラ進むのですが、夏の朝靄の中に睡蓮の花が咲き乱れるという、何ともベトナムのイメージそのまんまな風景が広がるのは優雅な話です。もし一般ボックスシート客車・B41001が来てくれればの話ですが……。
 というわけで、B41001の代わりに旅客用として充当されているC51003はと言いますと……この客車は恐らく満鉄ハ5形を出自としており、一部は食堂車に改造されています! かつて確か、いつもお世話になっております斎藤さんがハロン線に乗車された際のレポートを雑誌で眺めて、フォー (牛や鶏で出汁をとったベトナム国民食の米粉そば) を提供する非常に簡素でボロい食堂車のありさまに、思わずゴクリと唾を飲み込んだものです……(笑)



 しかし残念ながら、食堂車としての営業は休止となって久しく、テーブルが付いたボックスシート4×6の24名分が事実上の一般客室となっています。しかも、トゥーソンで乗った時点で、計6ボックスはイェンビェンから乗っている人々によって三々五々占拠されていました。では、彼らの中に割り込んで座るべきか……? 朝っぱらから猛烈な高温多湿ですので (-o-;)、狭い空間で身を寄せ合うのはイヤ過ぎますし、何と言っても私は鉄ヲタ。自由自在に動き回って写真を撮りまくるために来たのです (笑)。というわけで、誰も座らない行商客スペースに陣取り、板張りで浅いロングシートに改造されてはいるものの、満鉄客車としての矜恃を見せつける高い屋根の空間に包まれながら、この客車がかつて満鉄や華北交通の堂々たる複線上を駆け抜けた遠い昔の日々に思いを馳せたのでありました……。
 そんなこんなで、6時半にバクザン 北江 に到着~。ここでは最初の行商荷物積み込みの波があり、かつ北京発ハノイ行き国際列車 (但し車両はドンダンで乗換し、ベトナム国内はメーターゲージ客車1~2両で運転) との交換があるはずですので、やや停車時間が長くとられています。というわけで「確か北京発は木曜だから、土曜の朝にちょうど出会えるだろう」と目論んで、ハノイ行きの通過を待ち構えたのですが……いつの間にか荷積みが終了し、駅員氏が青旗を振りながら「発車するから乗れよぉ~ (たぶん)」と私に向かって叫びましたので万事休す (泣)。あれれ……? 北京からの列車が遅れているのか、それとも余りにも国際列車の利用客が少ないので北京~ハノイは廃止となり、南寧~ザーラムが残るだけなのか……? ザーラム駅の国際列車切符売り場に立ち寄るのを忘れましたので (^^;)、まぁ真相は、そのうちCNRの5月改正最新時刻表を入手すれば分かることでしょう。
 その後も相変わらず遅延回復には一切努めずにチンタラ走り、ドンダン~ハノイ線とハロン線の分岐駅であるケップに着いたのは7時20分頃。罐の前後を付け替えて折り返し発車するのが7時39分ですので、その間に猛スピードで罐換えシーンを激写し、かつ形式写真を撮りまくりました……(つづく)。


 この日は一般旅客用のC51003車内。長旅には過酷な椅子……。



 C51001車内。この客車もどう見ても日本的な雰囲気が……。



 バクザンでの数分亭車中。一両あたりの大きさが格段にデカい中国国鉄貨車が長々と連結されており、先頭までダッシュして編成写真を撮るのは諦めました (滝汗)。

第四ヤンゴン熱鉄記 (11) バゴー混合の終焉

2016-06-19 00:00:00 | ミャンマーの鉄道


 日本中古気動車の相次ぐ就役によって激しく変わりゆくミャンマー国鉄……。最近、バゴー発着の簡易レールバスLRBEが札沼キハ48に変わったという話に驚いたばかりですが、今度は同じバゴーに関連して、ヤンゴン~バゴー間の混合列車13Up・14Downが東海キハ48の5連になったとは……。この列車、ヤンゴンで撮り鉄する際の秘かな楽しみで、同じ「オーディナリー客車+代用客車+無蓋車」という組み合わせでやって来るにしても、必ずといって良いほど車両数の増減があり、油断できないのでありました。



 しかもこの列車、罐は基本的にDF1200が担当しますが、たまに初期型(超古典的なアルストーム)が牽引して「よっしゃー!」と叫ぶこともあり……。とにかく、絶対に撮影で失敗しないようハンパない緊張感すら抱いたものです (笑)。そしていずれは、ヤンゴンからトーチャンカレーまたはヤワッタージーあたりまで、代用客車のプチ旅をしてみたいものだと思っていたのですが……そうなる前にまさかJRCになるとは全く予想しておりませんでした。何だかんだで貨車を連結しているため、混合列車を止めてキハオンリーにするとは考えられなかったのであります。客車からあぶれて代用客車に乗らざるを得なかった乗客の皆様にとっては、破格の乗り心地向上で御同慶の至りですが、ヤンゴン付近で撮る際には環状線列車と同じ風貌に過ぎないわけで、何だかなぁ~という感じです。