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ミステリ感想-『孤島パズル』有栖川有栖

1999年05月26日 | ミステリ感想
~あらすじ~
新入会のマリアが提供した“あまりに推理研的な”夏休み。
宝探しパズルに挑むべく赴いた南海の孤島。
第一夜は平穏裏に更けるが、折しも嵐の第二夜、突如として惨劇が幕を開く。 


~感想~
純粋論理のフーダニット。しかし解きようがない謎は手ごたえを通り越して理不尽の一言。
動機も当たり前すぎて、探偵たちの鈍さには頭をひねる。
しかしゲームブック感覚で読めば前作と遜色なく楽しめることはうけあい。

感想からははずれるが、未読の方のためにひとつ注意を喚起したい。光原百合の解説のことである。
この解説が、僕が今までに見たなかでも最悪の部類なのだ。
まず「ネタバレの恐れがあるのでP392~3は飛ばして読んでください」と言っておきながら、P390で犯人の性別を特定する一文を書いてやがる。
さらに、『月光ゲーム』と『双頭の悪魔』の手がかり(それも探偵が真相をあばくまで明かされない手がかり)を堂々と書きつらね、読者が推理する楽しみを奪っているのだ。
ミステリ作家でもあるはずの氏の良識を疑わざるを得ない。


99.5.26
評価:★★★☆ 7
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