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ミステリ感想-『覘き小平次』京極夏彦

2002年10月14日 | ミステリ感想
~あらすじ~
一日中、押入れ棚に引きこもり、わずかの隙間から世間を覗く、売れない役者・小平次。
妻のお塚は、一向にその不気味な性癖がおさまらぬ亭主に悪態をつく毎日である。
そんな二人のもとへ、小平次の友人で囃子方の安達多九郎が訪ねてくる。
禰宜町の玉川座が、次回の狂言怪談の幽霊役に小平次を抜擢したという。
一座の立女形、玉川歌仙の依頼を受け、奥州へと向かう小平次。しかしその興行の裏には、ある仕掛けが施されていた。

山本周五郎賞
直木賞 候補


~感想~
『嗤う伊右衛門』につづく、怪談原作の作品。
こちらは題材を知らないせいか、前作(?)と比べれば劣る。
(ネタバレ→)なにより又市の介入が余分。作品の均衡を狂わせ、完成度をいちじるしく下げた。
とはいえ、十二分に楽しめる出来。
ことに「覘く」ところは背筋がぞくりときた。


02.10.14
評価:★★★☆ 7
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