~収録作品と感想~
※感想順はハードカバー版のものです
『天井のとらんぷ』
(ネタバレ→)ショートという言葉を張るために流行を設定に組み入れた。実に巧み。
『シンブルの味』
逆転のトリックが見事。
『空中朝顔』
『蔭桔梗』や『比翼』の系列。短いなりに。
『白いハンカチーフ』
これは珍しい。トリックの張り方が奇抜。説得力はやや薄いが。
『ビルチューブ』
これはうまい! 伏線の数が群を抜く。
『消える銃弾』
チェスタトンばりのトリック。
『カップと玉』
トリックがやや言い訳がましいが、結末に味。
『石になった人形』
やや難。
『七羽の銀鳩』
突拍子もない結末に面食らった。
『剣の舞』
愛憎どろどろ。も、結末に救い。
『虚像実像』
これはアンフェアですよね?
『花火と銃声』
この長さに詰め込まれた驚異の重量感。逆転にしてあからさまな真相。傑作。
『ジグザグ』
序盤の軽妙なかけ合いがいい。
『だるまさんがころした』
トリックは味気ないが、物語が光る。
『ミダス王の奇跡』
これは伏線を張るだけのお話。ここから質が明らかにトーンダウンした。
『浮気な鍵』
ただの奇術譚。不満。
『真珠夫人』
対処がいまひとつ意味不明。
『とらんぷの歌』
謎の設定が不明瞭。惜しい。
『百魔術』
トリックが解りやすすぎ。
『おしゃべり鏡』
20年越しの伏線に脱帽。
『魔術城落成』
こんな結末は望んでいなかった。残念。
~総括~
短編集『花火と銃声』所収の7編(『石になった人形』~『だるまさんがころした』)を頂点として、以降の凋落ぶりは明らか。泡坂妻夫の真価はこの程度ではないはず。故に評価は辛くなる。
02.10.20
評価:★★★★ 8
※感想順はハードカバー版のものです
『天井のとらんぷ』
(ネタバレ→)ショートという言葉を張るために流行を設定に組み入れた。実に巧み。
『シンブルの味』
逆転のトリックが見事。
『空中朝顔』
『蔭桔梗』や『比翼』の系列。短いなりに。
『白いハンカチーフ』
これは珍しい。トリックの張り方が奇抜。説得力はやや薄いが。
『ビルチューブ』
これはうまい! 伏線の数が群を抜く。
『消える銃弾』
チェスタトンばりのトリック。
『カップと玉』
トリックがやや言い訳がましいが、結末に味。
『石になった人形』
やや難。
『七羽の銀鳩』
突拍子もない結末に面食らった。
『剣の舞』
愛憎どろどろ。も、結末に救い。
『虚像実像』
これはアンフェアですよね?
『花火と銃声』
この長さに詰め込まれた驚異の重量感。逆転にしてあからさまな真相。傑作。
『ジグザグ』
序盤の軽妙なかけ合いがいい。
『だるまさんがころした』
トリックは味気ないが、物語が光る。
『ミダス王の奇跡』
これは伏線を張るだけのお話。ここから質が明らかにトーンダウンした。
『浮気な鍵』
ただの奇術譚。不満。
『真珠夫人』
対処がいまひとつ意味不明。
『とらんぷの歌』
謎の設定が不明瞭。惜しい。
『百魔術』
トリックが解りやすすぎ。
『おしゃべり鏡』
20年越しの伏線に脱帽。
『魔術城落成』
こんな結末は望んでいなかった。残念。
~総括~
短編集『花火と銃声』所収の7編(『石になった人形』~『だるまさんがころした』)を頂点として、以降の凋落ぶりは明らか。泡坂妻夫の真価はこの程度ではないはず。故に評価は辛くなる。
02.10.20
評価:★★★★ 8