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ミステリ感想-『もつれっぱなし』井上夢人

2009年06月07日 | ミステリ感想
~あらすじ~
「…あたしね」「うん」「宇宙人みつけたの」「…」。男女の会話だけで構成される6篇の連作編篇集。宇宙人、四十四年後、呪い、狼男、幽霊、嘘。厄介な話を証明しようとするものの、ことごとく男女の会話はもつれにもつれ?。エンタテインメントの新境地を拓きつづけた著者の、圧倒的小説世界の到達点。
※コピペ


~感想~
ああ、これは典型的な壁本ですね。

趣向は買うが、買えるのはそれだけで、中身があまりにも薄い。
それこそ義務教育を受けた人間なら誰でも考えられる程度の結末ばかりで、なんらの意外性も論理の冴えも会話の妙味もありゃしない。
結末が残念なだけではなく、内容も変な主張をするAと全否定するBとの掛け合いという、工夫のないワンパターンぶりで、内3編は「とりあえずセックスしよう」という流れに持っていくだけという安易さ。たったこれだけの内容に50ページもかける意味がどこにもなく、並のショートショート作家なら5ページで書けるレベル。という表現すらショートショート作家に失礼なほど。
こんなものを読むなら、渡辺浩弐や星新一の(星は読んだことないけど)ショートショートを読んだほうがはるかに経済的。短いし多いしひねりも利いてるし。
読むだけまったくの時間の無駄、と断じてかまわないだろう。


09.6.3
評価:問題外
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