~あらすじ~
世界的ファッションモデルとして活躍する美織レイ子が自宅マンションで死体となって発見された。
しかし彼女を殺す動機を持つ七人の男女たちはそれぞれが「美織レイ子を殺したのは自分だ」と信じていた……。
~感想~
複雑なストーリー、誰の視点か明かされない独白で語られていく構成と、作者が連城三紀彦でなければ物語が錯綜してしまい、筋を追うことすら困難になってしまうだろうが、そこはミステリ界屈指の筆力を誇る作者。鮮やかな手並みで難解な物語を難解に見せず、「七人に殺された女」という幻想的な謎を、現実的に解体し、なおかつ現実的でありながら興ざめさせない真相を描きだしてくれる。
そしてどこまでも本格ミステリであり、しかもどこまでも恋愛小説でもあるという破格の小説で、「純文学じゃなければ小説じゃない」という層も文句を言えないことだろう。
やはり連城三紀彦がミステリを書いていることは、ミステリ界とミステリ読みにとって大きな誇りである。
09.10.23
評価:★★★ 6
世界的ファッションモデルとして活躍する美織レイ子が自宅マンションで死体となって発見された。
しかし彼女を殺す動機を持つ七人の男女たちはそれぞれが「美織レイ子を殺したのは自分だ」と信じていた……。
~感想~
複雑なストーリー、誰の視点か明かされない独白で語られていく構成と、作者が連城三紀彦でなければ物語が錯綜してしまい、筋を追うことすら困難になってしまうだろうが、そこはミステリ界屈指の筆力を誇る作者。鮮やかな手並みで難解な物語を難解に見せず、「七人に殺された女」という幻想的な謎を、現実的に解体し、なおかつ現実的でありながら興ざめさせない真相を描きだしてくれる。
そしてどこまでも本格ミステリであり、しかもどこまでも恋愛小説でもあるという破格の小説で、「純文学じゃなければ小説じゃない」という層も文句を言えないことだろう。
やはり連城三紀彦がミステリを書いていることは、ミステリ界とミステリ読みにとって大きな誇りである。
09.10.23
評価:★★★ 6