小金沢ライブラリー

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ミステリ感想-『西南西に進路をとれ』鮎川哲也

2009年11月15日 | ミステリ感想
~収録作品~
ワインと版画
MF計画
濡れた花びら
猪喰った報い
地階ボイラー室
水難の相あり
西南西に進路をとれ

~感想~
鮎川御大の絶版短編集。
最後の(?)倒叙ミステリとなった『ワインと版画』をはじめとする倒叙ものと、異色の短編『猪喰った報い』、そして本格ものとバラエティ豊かなラインナップがそろっている。
ほとんどがこの文庫にしか収録されていない希少な作品ばかりなので、マニアをうらやましがらせるために(マニアはこんなブログ読まねえよ)あえて内容には触れないが、本格もの3編はトリックこそ単純ながら、いかにも鮎川短編らしい不可能状況をきっちり作り上げているのがお見事。
でも表題作は、鮎川哲也は茅ヶ崎在住だったから思いついたんだろうけど、あのトリックは地元在住の人間にはかなり無理があると思えてならないw


09.11.15
評価:★★☆ 5
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