~あらすじ~
六本木のバーで働く元SPの冬木安奈のもとに、元チェス世界王者の警護依頼が舞い込む。
依頼者は「アメリカ合衆国大統領に狙われている」というが……。
~感想~
いつもの偉人伝やジョーカーシリーズのような重厚さからは離れ、軽快なタッチで描かれたサスペンス。
古武術の達人のヒロインや奇人の天才チェスプレイヤー、オネエ系の協力者と濃いメンツがそろっているわりに、印象もストーリーもどうにも薄い。それが読みやすさにつながり、終局のある仕掛けに意外さを内包させることはできているのだが。
いちゃもんを付けるようだが、物語の筋も、事件も、なにもかもが注文どおりに流れているようで、うまく行き過ぎているのが、このヒロインの性格をなぞるような、起伏に乏しい無機質な読後感を招いているようである。
しかし展開も犯人の策謀も、チェスの技巧になぞらえているので、こうした印象を抱くことは、作者の狙い通りなのかも知れない。
と、なんだかんだとケチをつけてみたが、気軽に読んで気軽に騙される、小粒ながら良質のミステリではある。
10.12.17
評価:★★★ 6
六本木のバーで働く元SPの冬木安奈のもとに、元チェス世界王者の警護依頼が舞い込む。
依頼者は「アメリカ合衆国大統領に狙われている」というが……。
~感想~
いつもの偉人伝やジョーカーシリーズのような重厚さからは離れ、軽快なタッチで描かれたサスペンス。
古武術の達人のヒロインや奇人の天才チェスプレイヤー、オネエ系の協力者と濃いメンツがそろっているわりに、印象もストーリーもどうにも薄い。それが読みやすさにつながり、終局のある仕掛けに意外さを内包させることはできているのだが。
いちゃもんを付けるようだが、物語の筋も、事件も、なにもかもが注文どおりに流れているようで、うまく行き過ぎているのが、このヒロインの性格をなぞるような、起伏に乏しい無機質な読後感を招いているようである。
しかし展開も犯人の策謀も、チェスの技巧になぞらえているので、こうした印象を抱くことは、作者の狙い通りなのかも知れない。
と、なんだかんだとケチをつけてみたが、気軽に読んで気軽に騙される、小粒ながら良質のミステリではある。
10.12.17
評価:★★★ 6