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ミステリ感想-『デッド・ロブスター』霞流一

2011年03月03日 | ミステリ感想
~あらすじ~
劇団「建光新団」宛に送られてきた恵比寿様の像。送り主は2週間前に溺死した俳優だった。
劇団内に不穏な空気が流れる中、起こってしまった殺人事件。現場には足跡がなく、死体は逆エビ固めをかけられたがごとく、背骨がへし折れていた。
さらに続発する不可能殺人を、迷探偵・紅門福助は切り崩せるか。


~感想~
「霞お兄さんの死体ゴラスイッチ」……もとい殺人トリックを、何度となくゲーム「刻命館」に例えてきたが、今回はむしろ刻命館を意識したような雰囲気すら漂う。
よくもまあこんなトンデモな仕掛けを思いつくと感心するしかない奇想天外な物理トリックはあいかわらず。一方で推理は、消去法を用いた論理的なものなのだが、事件の裏に潜むある秘密を探偵が知ったとたん、その秘密から解けるのは一つの事件だけのはずなのに、解決パートになだれ込んで、他の事件まで一気呵成に解決してしまうという無理やりさに吹いた。
たいして多くない分量なのに、エビ雑学やギャグの応酬(というかダジャレだらけの茶々入れ)をふんだんに盛りこむから、ページ数が足りなくなったのではと思えてしまう。
そういえば「生き物雑学」「必要以上に多いギャグ」「物理トリック」と、汀こるもの大明神と霞流一は共通点が多いな……。


11.2.27
評価:★★★ 6
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