~あらすじ~
富豪の家族を襲った殺人事件。屋敷に住むのは美しい未亡人とその私生児、前妻の生んだ長男と長女。
家政婦の瑞恵がみる限り、邸内には家族の絆も存在しないが、恐ろしい殺され方をするような現実的な人間もいない。
はたして誰がなぜ、なんのために?
00年このミス16位。
~感想~
著作はあまり読んでいないが、作者にしては珍しくキャラクター性を排し心理と推理だけで組み立てた作品だとか。
いくつか読んだ短編でも見せていた、本格ミステリの肝を心得た展開がうまく、ドロドロした一族の関係や、謎めいた美少年、続発する怪死などまさに王道。
それだけに事件全体の印象は薄くなりがちなのだが、タイトル「象牙色の眠り」の意味が二転三転し、結末につながっていく構成が光り、心に残る作品となった。
王道を往くわりに地味な物語を、展開と構成の巧さで佳作へと引き上げた、作者の技量がものを言った作品であろう。
11.3.3
評価:★★☆ 5
富豪の家族を襲った殺人事件。屋敷に住むのは美しい未亡人とその私生児、前妻の生んだ長男と長女。
家政婦の瑞恵がみる限り、邸内には家族の絆も存在しないが、恐ろしい殺され方をするような現実的な人間もいない。
はたして誰がなぜ、なんのために?
00年このミス16位。
~感想~
著作はあまり読んでいないが、作者にしては珍しくキャラクター性を排し心理と推理だけで組み立てた作品だとか。
いくつか読んだ短編でも見せていた、本格ミステリの肝を心得た展開がうまく、ドロドロした一族の関係や、謎めいた美少年、続発する怪死などまさに王道。
それだけに事件全体の印象は薄くなりがちなのだが、タイトル「象牙色の眠り」の意味が二転三転し、結末につながっていく構成が光り、心に残る作品となった。
王道を往くわりに地味な物語を、展開と構成の巧さで佳作へと引き上げた、作者の技量がものを言った作品であろう。
11.3.3
評価:★★☆ 5