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ダメミス感想-『殺人ピエロの孤島同窓会』水田美意子

2011年03月05日 | ミステリ感想
~あらすじ~
日本から1500キロ離れた、東硫黄島。島の外輪火山が噴火し、住民は東京に強制移住させられ、現在は、観測所を守っている老人が1人住むだけの孤島である。そんな島で同窓会が開かれることになり、4年ぶりに東硫黄高校同窓生が集まった。出席者はクラスメイト36人中、不登校だった1人を除いた35人。和やかムードで進んでいた同窓会は、突如現れた殺人ピエロにより恐怖の孤島と化す。次々と同窓生たちを惨殺し始める殺人ピエロの正体は?
06年『このミステリーがすごい!』大賞特別奨励賞受賞作。
※コピペ


~感想~
「作者は娘でもおかしくない年齢」という戦慄すべき事実を前にしては、何を書いても大人げないことにしかならないので、どうしても矛先はこんなものを出版させてしまった大人たちに向けられてしまう。
選評を見ると「12歳だから」という理由だけで出版させたのは明らかで、内容は二の次である。若ければデビューできるなら世の親御さんは幼稚園児の子供にどんどんミステリ書かせれば印税でウハウハできていいと思うよ。
それでもどうにかしてむりやり褒めるとすれば、12歳で内容はどうあれ、これだけの量の文章を書けるのは素直にすごいとは思う。内容はどうあれ。大事なことなので二回言いました。
山田悠介師匠(奥義的な意味で)の奇書『リアル鬼ごっこ』でさえ、文庫化に当たってはそれなりの文章にしてしまう編集の手がどれだけ入っているか解らないので、いったいどの程度まで校正されているのかは不明だが、ところどころ語彙の少なさから来る幼稚きわまりない言葉の選び方は目につくものの、何を言っているのか理解できるという点では山田師匠よりはるかに日本語はまとも。
しかし小学生にまっとうなミステリを期待するほうがそもそも間違いであり、美意子たんなりにキャラを描き分けて、編集側のアドバイスで付け加えたんだと思いたい、大きなお友達が喜びそうなエッチい描写もがんばって、読者の120%が気づくだろうから遠慮なくネタバレするけど、ピエロの正体が野比じゃなかったりするが、正直そんなことは心底どうでもよく、読んでいる間ずっと早く話が終わることだけを願い続けていた。何かの拷問だろうかこれは。
なにはともあれ12歳の女の子の将来をねじ曲げてしまったのだから、推薦した大森望を始めとする大人たちは、責任持って育ててくれることを祈るばかりだ、と良識ぶったことを書いて締めとしてみる。


11.3.4
評価:問題外
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