~あらすじ~
阪神大震災のさなか、水原雅也は借金返済を迫る叔父を撲殺したところを新海美冬と名乗った女に目撃される。
身寄りを失った二人は、成り上がるために手段を選ばず凶行に手を染めていく。
2004年文春7位、直木賞候補
~感想~
真・サイコパス無双2。「白夜行」の姉妹編で、作者は明言を避けているものの普通に考えれば続編であるため正確には真・サイコパス無双猛将伝か。
「白夜行」に続きサイコパスが大暴れするのだが、今回は二匹(サイコパスは人間ではないので匹で数えましょう)から一匹に減ったものの、その一匹が二匹分以上の無双乱舞をするため胸糞の悪さは前作に勝るとも劣らない。
ひょっとして作者がただサイコパス無双をもう一度描きたかっただけなのではと思うほど、前作をなぞるような展開が延々と続き、しかし「白夜行」にはあった昭和史をなぞるような壮大さや、2つの物語が連関しあい裏の真相をほのめかすといった凝った仕掛けもほとんど無しと、前作を全く楽しめなかった自分のような読者はほとほとうんざりする。
だが終盤も終盤になってようやく「白夜行」の姉妹編、あるいは続編としての趣向が明らかになり、そういう物語だったのかと納得は行き、糞長いサイコパス無双を2冊も我慢して読んできた甲斐は多少はあった。
だが他人に勧められるかと言えば口が裂けてもそんなことは言えないし、こんなものが東野圭吾の代表作だなどとは認めたくない。
「白夜行」を未読で「幻夜」を単体で読めばおそらく面白さは十分の一になってしまうので、「白夜行」を楽しめた向きにだけ、必読とまでは言わないがなるべく読んでおくべきだろうと、消極的におすすめしておく。
なお集英社文庫版の黒川博行の解説はネタバレ三昧のため要注意のこと。
17.7.5
評価:★★☆ 5
阪神大震災のさなか、水原雅也は借金返済を迫る叔父を撲殺したところを新海美冬と名乗った女に目撃される。
身寄りを失った二人は、成り上がるために手段を選ばず凶行に手を染めていく。
2004年文春7位、直木賞候補
~感想~
真・サイコパス無双2。「白夜行」の姉妹編で、作者は明言を避けているものの普通に考えれば続編であるため正確には真・サイコパス無双猛将伝か。
「白夜行」に続きサイコパスが大暴れするのだが、今回は二匹(サイコパスは人間ではないので匹で数えましょう)から一匹に減ったものの、その一匹が二匹分以上の無双乱舞をするため胸糞の悪さは前作に勝るとも劣らない。
ひょっとして作者がただサイコパス無双をもう一度描きたかっただけなのではと思うほど、前作をなぞるような展開が延々と続き、しかし「白夜行」にはあった昭和史をなぞるような壮大さや、2つの物語が連関しあい裏の真相をほのめかすといった凝った仕掛けもほとんど無しと、前作を全く楽しめなかった自分のような読者はほとほとうんざりする。
だが終盤も終盤になってようやく「白夜行」の姉妹編、あるいは続編としての趣向が明らかになり、そういう物語だったのかと納得は行き、糞長いサイコパス無双を2冊も我慢して読んできた甲斐は多少はあった。
だが他人に勧められるかと言えば口が裂けてもそんなことは言えないし、こんなものが東野圭吾の代表作だなどとは認めたくない。
「白夜行」を未読で「幻夜」を単体で読めばおそらく面白さは十分の一になってしまうので、「白夜行」を楽しめた向きにだけ、必読とまでは言わないがなるべく読んでおくべきだろうと、消極的におすすめしておく。
なお集英社文庫版の黒川博行の解説はネタバレ三昧のため要注意のこと。
17.7.5
評価:★★☆ 5