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ミステリ(?)感想-『ルビンの壺が割れた』宿野かほる

2017年07月16日 | ミステリ感想
~あらすじ(?)~
「すごい小説」刊行します。
キャッチコピーを代わりに書いてください!

これは新人作家の小説ですが、あまりにすごすぎてコピーを付けられないので、期間限定で公開し読んだ皆さんにキャッチコピーを付けてもらいたいと思います。
担当編集者 拝

本文はこちらから


~感想~
SNSで話題沸騰中(?)の作品だが、確かにこれはすごい。
ミステリ仕立てではあるものの伏線というものがそっくり抜け落ちていて、後出しジャンケンで「実は○○は××でした」を連打するだけの、お手軽に書かれた代物である。
文体は古い。昭和のかほりがそこはかとなく漂う文章で、ベッタベタな展開とやりとりが描かれ、もともと中編程度の分量ながら数十分で読み終えることができる。

伏線が皆無な作品にネタバレ注意が必要かは疑問だがいちおう以下↓ネタバレ注意↓

内容はストーカー化しつつある元カレ(50代)がもうすぐ死にそうなことを武器に、元カノ(50代)へ思い出を語る長文メールを送り付けるというものなのだが、「こんなガラスの仮面は嫌だ!」みたいな設定のもと、もう本当にお前らずっと何言ってんの?とツッコミたくなるほど赤裸々に性癖を語り合い、どんどん性の乱れがエスカレートして行き唐突に幕を閉じる、という有様で唖然とした。
悪い意味での超展開と読者への裏切りにあふれており、思わせぶりのタイトルはそれもうなんでもいいじゃねえかというレベルで物語に絡まずと、褒められるところがほとんど見当たらない、絵に描いたような炎上商法である。
これにキャッチコピーを付けるならば「伏線皆無の性癖レスバトル」か、もしくは

空前絶後の!超絶怒涛の新人作家!新潮を愛し新潮に愛された男!義妹!浮気!レイプ!近親相姦!ソープ!ビッチ!乱交!ロリコン!全ての性癖の生みの親!そう我こそは!そのあまりのポテンシャルの高さに文春!角川!講談社!創元社!光文社から命を狙われている男!この俺は!年齢!不明!性別!不明!長所!性にオープンな所!短所!伏線がない所!この俺は!宿野おおおお!!か!ボゴォ!!!ほおおるううう!!イエエエエエ!!ジャアアアスティス!!!

を進呈したいと思う。


17.7.16
評価:☆ 1
コメント (8)