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ミステリ感想-『毎年、記憶を失う彼女の救いかた』望月拓海

2018年01月10日 | ミステリ感想
~あらすじ~
尾崎千鳥は両親を交通事故で失ったショックにより、命日が近づくたび事故前に記憶が巻き戻る障害を患った。
3回目の記憶喪失を迎えてから3ヶ月後、彼女の前に現れた男があるゲームを持ちかける。
「1ヶ月デートして僕の正体がわかったら君の勝ち。君が負けたら僕と付き合うこと」
すべての伏線が、愛。

2017年メフィスト賞


~感想~
ミステリ的にはわりと前半でほぼ全ての真相が読めてしまったものの、来年のこのミス等にはまず間違いなくランクインするだろうし、話自体は仮に映画化すれば全米が泣くと思った。(小並感)
内容的にドラマ化も映画化も容易で、メフィスト賞初の講談社タイガという安価かつラノベ寄りのレーベルで刊行したことも、はじめからメディアミックスを想定し、ミステリファンに限らず広く手に取って欲しいと目論んでのことだろうと思う。
これといった欠点も無く、値段もお手頃で話も普通に面白いと、おすすめできない要素はただの一つも見当たらないので、講談社に親を殺されたとかいった切実な理由でもなければぜひ読んでいただきたい。

全くの余談だが、2009年に同じメフィスト賞を受賞した望月守宮は、無貌伝の完結後は音沙汰なく、こんなに早く同賞から同姓の作家が出てしまうとは、もう講談社に捨てられたのだろうかと危惧してしまう。望月守宮ェ…。


18.1.8
評価:★★★ 6
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