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ミステリ感想-『黒鳥の湖』宇佐美まこと

2020年02月22日 | ミステリ感想
~あらすじ~
中堅企業の社長の財前彰太は、若い頃に勤めていた興信所で、娘を襲われた男から復讐の依頼を受けた。
27年後、あの時の犯罪者が再び動き始め、犠牲者が出る。あの時、彰太が犯した罪の因果が巡ってきたかのように。


~感想~
謎めいた断章、垢抜けない異名の殺人鬼、家庭崩壊からの事件の影と、既視感の強いよくある展開が続き、後半には大方の読者はオチが読めたと思うかもしれない。
だが本番はそこからで、読み切ったと思った裏から、次から次へと想像を超える黒い真相と、全く予想だにしない結末が現れる。最後まで油断のならない作品だと保証する。
作者おなじみのとにかくエロい描写はほぼ皆無(あるにはある)なのは多少残念だし、どうせ今年も話題にならないんだろうが2020私的ベスト10は確実である。

ものすごく細かいツッコミをすると、編集者・校正者にはちゃんとアレは9文字なんだよと指摘しておいて欲しかった。固有名詞を避けるためにあえてしたのかもしれないが、どうしても気になってしまった。


20.2.21
評価:★★★★☆ 9
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