~あらすじ~
食品会社社長の江原は詐欺で服役した過去があり、その巻き添えで一家離散した能坂に過去をバラすと脅迫される。
そんな折に企業買収で揉めていた取引先の相手が何者かに殺される。しかし動機のある江原は犯行時刻に北海道におり、そのアリバイを証言したのは他ならぬ能坂だった。
~感想~
主人公は江原の娘の麻知子で、フットワークの軽い彼女は自ら現場に足を運び、推理に尾行にロマンスに八面六臂の活躍を見せる。
一方で意味深なタイトルの意味がなかなかわからず戸惑うが、その真意が明らかにされるとともに急転直下で事件の真相も浮かび上がるのが実に素晴らしく、終わってみればタイトルはまさにこれしかない。
「さよならの値打ちもない」もミステリ史上に残る完璧なタイトルだったが、笹沢左保はタイトルを付けるのが非常に上手いようだ。
物語も多くを語らずそこで終わらせるのが大胆かつ余韻を残す上手い作りで、作者の手腕をまたしても感じさせてもらった。
なお徳間文庫版の解説は真相を大いに匂わせているので、くれぐれも読了後に読んでいただきたい。
22.12.6
評価:★★★☆ 7
食品会社社長の江原は詐欺で服役した過去があり、その巻き添えで一家離散した能坂に過去をバラすと脅迫される。
そんな折に企業買収で揉めていた取引先の相手が何者かに殺される。しかし動機のある江原は犯行時刻に北海道におり、そのアリバイを証言したのは他ならぬ能坂だった。
~感想~
主人公は江原の娘の麻知子で、フットワークの軽い彼女は自ら現場に足を運び、推理に尾行にロマンスに八面六臂の活躍を見せる。
一方で意味深なタイトルの意味がなかなかわからず戸惑うが、その真意が明らかにされるとともに急転直下で事件の真相も浮かび上がるのが実に素晴らしく、終わってみればタイトルはまさにこれしかない。
「さよならの値打ちもない」もミステリ史上に残る完璧なタイトルだったが、笹沢左保はタイトルを付けるのが非常に上手いようだ。
物語も多くを語らずそこで終わらせるのが大胆かつ余韻を残す上手い作りで、作者の手腕をまたしても感じさせてもらった。
なお徳間文庫版の解説は真相を大いに匂わせているので、くれぐれも読了後に読んでいただきたい。
22.12.6
評価:★★★☆ 7