~あらすじ~
小林みさきは婚約者の片岡信一を両親に紹介するため家に招くが、その日とうとう片岡は現れず、殺人犯として指名手配される。
みさきは「罠だ。新聞を信じるな」という片岡からの電話に導かれて訪れた松江で、片岡の妻と名乗る女に出会い、さらに行く先々で殺人事件が起こる。
~感想~
ストーリーは典型的なトラベルミステリで、名所をめぐりながら温泉に入り、時刻表をどうこうするアリバイ崩しももちろんある。
しかしそれ以外の要素が軒並み本格ミステリのそれで、被害者を結ぶミッシングリンク、登場人物たちの過去の因縁、浮かび上がる強烈な動機のみならず、数々の凝ったトリックが物語を支える。
それに加えてはじめは自称婚約者と妻が愛する男のためにバディを組んで捜査をし、中盤に急展開を迎えてからは愛の力で孤軍奮闘する女に新たな相棒が現れ、それぞれの視点を合わせて推理を練り上げ、犯人との直接対決ではハッタリを利かせて極限の勝負を挑むという熱いストーリー展開。
そしてラストはもちろん…と、トラベルミステリとしては破格の構成かつ惜しげもなく仕掛けを施した豪華さで、あらすじからは思いも寄らない盛り上がりを終始見せてくれる佳作である。
22.12.19
評価:★★★ 6
小林みさきは婚約者の片岡信一を両親に紹介するため家に招くが、その日とうとう片岡は現れず、殺人犯として指名手配される。
みさきは「罠だ。新聞を信じるな」という片岡からの電話に導かれて訪れた松江で、片岡の妻と名乗る女に出会い、さらに行く先々で殺人事件が起こる。
~感想~
ストーリーは典型的なトラベルミステリで、名所をめぐりながら温泉に入り、時刻表をどうこうするアリバイ崩しももちろんある。
しかしそれ以外の要素が軒並み本格ミステリのそれで、被害者を結ぶミッシングリンク、登場人物たちの過去の因縁、浮かび上がる強烈な動機のみならず、数々の凝ったトリックが物語を支える。
それに加えてはじめは自称婚約者と妻が愛する男のためにバディを組んで捜査をし、中盤に急展開を迎えてからは愛の力で孤軍奮闘する女に新たな相棒が現れ、それぞれの視点を合わせて推理を練り上げ、犯人との直接対決ではハッタリを利かせて極限の勝負を挑むという熱いストーリー展開。
そしてラストはもちろん…と、トラベルミステリとしては破格の構成かつ惜しげもなく仕掛けを施した豪華さで、あらすじからは思いも寄らない盛り上がりを終始見せてくれる佳作である。
22.12.19
評価:★★★ 6