ミステリ感想－『ブラウン神父の知恵』G・K・チェスタトン

～収録作品～
グラス氏の失踪
泥棒天国
ヒルシュ博士の決闘
通路の人影
器械のあやまち
シーザーの頭
紫の鬘
ペンドラゴン一族の滅亡
銅鑼の神
クレイ大佐のサラダ
ジョン・ブルノワの珍犯罪
ブラウン神父のお伽噺


～感想～
呆然の真相　『ヒルシュ博士の決闘』
なにもかもが完璧な短編　『器械のあやまち』
これぞ逆説の冴え　『紫の鬘』
末尾の一言がきらめく　『ジョン・ブルノワの珍犯罪』
まさにお伽噺。お伽噺ならではの真相にヒザを打つ　『ブラウン神父のお伽噺』

やはり期待は裏切らない。
高尚で気どった文体も、高尚で気どっていて当たり前な雰囲気を作り出せれば、深い味わいを醸し出す。
21世紀の今も、いささかも輝きを損なわない佳編ぞろい。
逆説。思いも寄らない手がかり。魅力的な探偵。
これこそがミステリ。


02.9.1
評価：★★★☆　７