女子柔道告発騒ぎ、厩のおやじ、おかみを忘れてはいませんか

私の理解するところでは、体育選手（柔道をはじめとして）が自主的に告発文を書くなどということはあり得ない。

アマチュア（プロもそうかもしれないが）の選手は個人営業の場合はともかく、所属する学校、あるいは企業のクラブ監督の絶対的な支配下にある。彼女たちが告発文を書くなら、自校の監督、自社の監督にやらされたと考える。あるいは、上部団体である柔道連盟の役員の場合もあるだろう。

いずれにせよ、自校、自社、所属組織への報告や了解なしに署名上訴を行うことはあり得ないことは間違いない。

それをしていないと主張するのであれば、今一度、告発過程を検証すべきである。

１５人というのは選手全員ではないだろうから、そうすると告発文に名を連ねた選手の学校なり、企業には共通項があるはずである。これも氏名を公表すればマスコミにも分かることだろう。

相撲の部屋のことを英語ではステーブルという。厩の意味である。親方はステーブル・マスターである。選手は金や名誉をもたらす駒にすぎない。だからその馬がいる厩というわけだ。相撲はプロだが、学校、企業が抱える運動部もうまやと変わりがない。

したがって、選手たちが自主的に、今回のような破天荒なことをすることは絶対にない。

週刊文春によると、園田監督が叩いたりして指導したのは一人の選手だと言う。そうして彼女とは和解しているそうだ。したがって、彼女は署名に加わっていない。そうすると、ご親切にも１５人の選手は彼女のことを心配して義侠心でやったという（非常に奇妙な）ことになる。ちなみに文春によると『野獣』として有名になった選手も署名していないという。

告発文は体罰問題よりも柔道連盟の体制批判だという観測もある、と文春にある。ということは反体制派の派閥争いがメインであることだ。これも本当かどうかは告発文を公表すれば分かることである。

いつまでたっても柔道連盟やJOCが取り上げてくれないので、おりから大阪のバスケットボール部の事件が世間の注目を集めているので、黒幕が体罰事件という側面をピックアップしてマスコミにリークしたという観測も有る。

さらに穿った見方をすれば、本当に１５人は署名したのかということもある。これも告発文と氏名が公表されればわかることである。公表されない限り憶測が絶えることはなかろう。

週刊文春によれば、この騒動の黒幕は山口香さんであるという。