今回ビシュケシで開催された、第6回の上海協力機構(SCO)の合意を受けて、6理事国の動きが急である。とりわけ、中国とロシアの連携は素早いものがある。早速大規模軍事訓練を行っている。中国の人民軍が海外の軍事訓練に参加するのも初めてである。両国の連携を強調するものでもある。
ウラル地方のチャビンスクで「2007平和作戦」と命名された訓練を、プーチン大統領と湖錦濤国家主席が仲良く視察までしている。両大国の軍事的な連携を強め、今後とも 軍事力を強化してい方針を発表した。 この訓練は対テロ作戦であると同時に、アメリカの、ミサイル防衛(MD)システムの東欧配置に対抗するものであるとしている。
このことは、イランのミサイルを意識したアメリカのMDシステムに対抗し、SCOにオブザーバーで 参加した、イランのアフマドネジャド大統領を間接的に支援するものでもある。
さらに、SCO理事国に限ることなく参加11カ国は、エネルギー面でも文化的交流も深めるとしている。このSCO各国の動きは、アメリカ一極に集中する軍事力、経済力や権力に対抗するものである。これらの国々の、思惑は一様でなく利害関係も一つのことをのぞいて同じではない。一つのこととはアメリカの脅威である。
アメリカの存在感などが薄れつつる現在、アメリカの軍事的脅威に対抗するために、地政学的に類似する国々を中国とロシアが糾合しているだけなのである。世界のこうした急速な動きの中で、日本政府は相変わらず、アメリカ一極へするよることしかできないでいる。