内閣改造が行われた。自民党内の経験者を拾いまくった感がする。自民党3役と大臣に,谷垣派を除いてであるが派閥の領袖を並べている。新鮮味のない再任者を主要ポストにお招きした内閣となった。
そんな中で、民間から登用された大田弘子経済財政大臣が、今回の選挙の敗北を顧みない、全く矛盾する就任の意見 を平然と、述べていた。経済成長が最大の眼目であり、6月の骨太(何が骨太か知らないが、他の意見を聞かないという意味のようである)の経済政策を踏襲するとのことである。
地方が疲弊することと、都会も含めた格差が生じる原因が同一であることを全く理解していない。経済成長をすれば、それらが解決すると本気で思っているようである。これだけ”好景気”でありながら、なぜ格差が起きているのか、なぜワーキングプアーが大量に生産されるのか、なぜ地方が疲弊しているのか選挙の結果を理解していない。
もっとも、選挙結果の分析を安倍ボンがやったわけではなく、敗北の原因を説明したわけでもない。反省することを、反省しているとも思えない。選挙結果を真摯に受け止めているわけでもない。だから、このような発言が出るのも当然のことではある。
経済成長を重視するためには、国民の賃金を安くすることが必要であり、経済成長や経済効率の劣る農業など厄介者なのである。当然の結果として、賃金の格差や地域の格差が生じるのである。市場経済は、強者の論理である。弱者は、敗北者なのである。
勝者になって強者になればいいと、市場経済優先学者は主張する。あたかも、強者と弱者が同量存在するような言い草であるが、実際には強者あるいは勝者はほんの一握りしか存在しないのである。経済成長すればするほど、ワーキングプアーが出て地方が疲弊するのである。
小沢一郎に近い人間を複数登用していることも気になるところである。今度の内閣はどれほど持つのだろうか?