盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領と北朝鮮の金正日(キム・ジョンイル)総書記が、8月28日から30日まで平壌で首脳会談を開くことで合意したと発表した。北の政治的攻勢は確実に実を結びつつある。
残り3カ月となった、盧武鉉が打って出たと見るより、北側の大統領選への思惑が見て取れる。与党の融和政策が有効であることを、ハンナラ党などの野党の見せつけるには、もってこいのタイミングであるといえる。
金正日にとって、自らの体制を堅持することが何よりも優先される。アメリカの政策転換を巧みに利用した手法は、見事としか言いようがない。アメリカは中東で手詰まりの状態であり、何らかの外交政策の政策を出したかったのであろう。
金正日にとって、核のカードが面白いように成果を上げている。食糧や燃料を隠れずに堂々と韓国や中国、それにロシ アから援助を受けられるようになった。要するに、日本以外の近隣職から何でも援助してもらえるようになったのである。
国連決議案の経済制裁は何処に行ったのであろうか?少なくとも全く意味のない決議案になってしまったのである。い まだに経済制裁をやっている、日本の目的はなんだったのであろうか。外交のダイナミズムを、原則にすがることなく展開しなければならない時期に差し掛かっている。安倍首相には、その外交のの老獪さもなく、今回の敗北で支持基盤も失いつつあり、拉致問題を繰り返すしかできないでいる。
韓国にとっても、冒険的要素も残っている。ハンナラ党などが現野党が大統領選挙に勝利した場合には、融和政策そのものが見直されることになりはしないだろうか?それより、前回の金正日・金大中会談で明らかになった、5億ドルの裏金問題は、犯罪者の処分にとどまっただけで、いまだに解決されていない。国内の不安定要因が大きくなる要素は否定できない。
日本は韓国と、領土問題や従軍慰安婦問題、それに何よりも歴史認識の問題で必ずしも良好な関係にない。その韓国に、外務大臣が南北会談に拉致問題も頼んだようであるが、虫のいい話である。
安倍ボンは韓国をはじめとする、近隣諸国に未だ戦前の日本の威圧的姿勢を抱いたままである。彼の外交は、完全に破たんしたと見るべきである。