イラク北部のモスル郊外で、数台の車を次々爆発させるテロ事件が起きた。現在のところ、400名以上の死者が確認されている。瓦礫の下には、救助されない人たちがいて、死者は500名になると思われる。
これは、イラク戦争始って以来の惨事である。ブッシュが、開戦直後に戦艦の上で「ゲームは終わった」と高らかに、勝利宣言したのは、パロディーのように思 えてならない。とりわけ、増派を決めてからテロの規模は拡大する一方である。
力でしか抑え込むしかすべしか知らないブッシュは、今年になって3万人の増派を行った。議会に多数を占める民主党に対抗しての、増派であり9月のもその成果を高らかに報告するスケジュールであったが、全く逆の結果になっている。何を報告するのだろう。
こうしたテロで犠牲になるのは、一般市民である。特に今回は、アメリカが大々的な増派で、反政府分子を抑え込む結 果、地方の都市にテロが分散した形になっている。テロは効果が上がるように、一般の人々が集まるところが狙われている。
早速アメリカとイラク政府は、アルカイダの仕業と手早い説明であるが、根拠は何もない。そもそも、アルカイダは組織として、活動しているかどうかも危うい組織である。アルカイダは組織でなく、思想であるといわれている。早々と、彼らの仕業にしてしまっていることは、国内不満を外に向けさせるものでないのか。
こうしてイラク情勢がどんどん悪くなる状況で、阿倍ボンは強行採決してまでイラク特措法を通してしまった。我々の税金は、イラクの人たちの生命や財産を守ることに貢献することなく、増派を進めるブッシュ政権を後押しするために使われている。