アメリカ産牛肉が大手を振って輸入されることになる。20か月以下の牛の検査が必要でないと、もうすぐ専門委員会が結論を出すのである。OIE(国際獣疫事務局)が、アメリカ産牛肉に安全で輸出可能としたことが根拠となっている。
20か月以下の牛の特定などできない国の牛肉を、20か月以上と認定して輸入するのである。20か月以下で処分される肉牛は少ないと思われるが、いないわけでない。BSE無検査のアメリカ産牛肉の輸入を、食品安全委員会が今月中に諮問を受けて今年中には容認するそうである。
アメリカは、日本の全頭検査を非科学的と当初から非難している。これに乗っかる学者たちが、日本にいるのも恥ずかしい話である。日本では現在33頭のBSEが確認されているが、8,9例目が24ヶ月と21ヶ月の弱令牛であった。これらの牛から検出されたプリオンは、他のBSE牛の600分の1と1000分の1程度であった。
この2頭のプリオンは、再感染 (伝達)能力がなかったと結論が出ている。このことが非検査牛の輸入容認の根拠の一つになっている。が、異常プリオンがなかったわけではない。将来的に、検査機能が向上することも考えられる。OIEの判断にも問題があるが、そもそもアメリカの牛は自由取引の中でいかなる履歴も分からないのである。
隣国の韓国では、多分4回目になるだろうと思うが今月2日に、アメリカ産牛肉から危険部位が輸入牛肉から見つかった。韓米協定に違反しているとのことで、現在輸入停止状態である。何度警告しても、この国は同じである。
中国製の食品加工品が大変危険なものが多いことが、最近報道されている。日本は、たった数%のチェックしかしていないとのことであるが、アメリカの検査体制は1%に満たないレベルである。アメリカの食品に対する、チェック体制のレベルは低く、自己責任の範疇で語られることが多い。
日本は、どうしてこんな食品管理に杜撰な国、アメリカから牛肉を何とかして輸入したいのだろうか?答えは簡単である。日米安保体制の中で核の傘下の旨みを存分に味わってきた経過が、日本のアメリカに対する従属関係を生み出したのである。