そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

本当の国際貢献とは?

2007-08-22 | イスラエル

世界は最悪の状況になっているイラクに注目している。が、アメリカは9・11の反転侵攻を成功したアフガニスタンを踏まえてイラクに攻め入ったのである。そのアフガニスタンは順調に復興しているのだろうか。ドイツ人や韓国人の人質事件が報道される以外は、あまり報道されることがない。

以下は、もともとパキスタンで医療活動を目的で現地で活動され、今はほとんどを現地の灌漑事業などで活動されていPhoto_154 る、ペシャワール会の中村哲氏の発言である。

アフガニスタンは、ソ連の侵略も含めた過去23年で最悪の状態になっている。タリバンとは神学生という意味であり、タリバンが実効支配しているところとされる地方がいちばん平和である。

アメリカは、地上軍を投入せず自分たちの被害を最小限にして空爆を繰り返す。空爆は、アフガニスタンの人たちが心の拠り所としている、モスクやメドレッセ(神学校)を重点的に攻撃する。この空爆によって、発表されるようなタリバン兵士の死者を見たことがない。殺されるのは、一般人ばかりである。

アフガニスタンの農村はもともと自給自足である。アフガニスタンの人にとって今必要なものは、農業支援である。そうしたことから、潅漑を手作りでやっている。潅漑作業の最中に、アメリカ軍に空爆されたこともある。

地球温暖化などの異常現象で、アフガニスタンか過去最悪の日照りが続いている。水さえあれば、小麦のほかに米やトウモロコシも作ることができる。そうした支援こそ、本当の支援である。軍事的な支援をアフガニスタンは求めてはいない。

アフガニスタン支援は、現場を離れるほど抽象的になる。国際平和やテロ対策などほとんど意味がない。日本には、アメリカなどの軍事支援につながるようなことではなく、アフガニスタン人が本当に望んでいる支援をやっていただきたい。

ペシャワール会のホームページは http://www1a.biglobe.ne.jp/peshawar/ です。


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