そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

何が何だか解らない定額給付金

2009-01-07 | 政治と金

当初定額給付金は、収入の低い人への生活支援として提示された。「収入の多い者は受け取るな」というのであった。収入の多い人はいくらかでもめた記憶も覚めていない。収入を確認するのは大変だと、事務を請け負う自治体から反対されて、制限をなくした。

首相は、高額収入者は受け取るな。さもしいことを望むな、矜持を持って対応しろと、高額収入について語った。制度は国民すべてに差別なく対象にしているが、特定の者に自主的に受け取るなというのは制度でもなければ法律でもない。

年内に給付するとまで言っていた。何よりスピードが大切だと麻生首相は明快に答えていた。スピードはダウンして年を越した。この時点で大きく内容が変わってしまった。やむなく経済刺激、景気浮揚とすることにした。お金持ちの閣僚まで金は受け取って使うなどと言っている。麻生の発言は何だったのか?

はじめに2兆円をばらまくことだけが決まっていたのである。公明党の思惑を通した形の選挙対策であった。選挙はやらないことになった。

要するに何も考えずに、選挙対策のバラ撒きをやろうとしていただけで、引っ込みがつかなくなっても続けると言っているのである。少額ならともかく、2兆円もの大金である。生活支援にしても景気浮揚策にしても、2兆円もあればもっと具体的に効果的に取り組めることがあるはずである。

グリーンスパンが責任逃れに言った「100年に1度の経済危機」のフレーズが、盛んに引き合いに出される世界状況である。こんな不毛な論議を重ね、党利党略に固執する日本の国会は何のためのものであるか。

それに比べて、地方自治体などは様々なアイディアを出している。東京都のある区では、定額給付金を寄付してくれると、地方税をできる範囲で下げようと言っている。大阪の橋下知事は、給付を年収400万以下にして残った金で、校舎を耐震構造にしようと言っている。どれも政府が反対するだろうから非現実的であるが、地方の方が具体的な取り組みを考えている。

政策には明確な目的が設定されていなければならない。その目的について最大の効果を求める方法を検討しなければならない。そのために論争を重ね政策を練り上げるのが、立法府の国会である。

官僚と世襲議員に乗っ取られた中央政権は、そろそろ思考過程においても、権力構造においても、民主的制度の上からも限界に近づいているように思える。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

羅臼港

春誓い羅臼港