国連の安保理が、イスラエルのガザ侵攻の即時停戦決議を採択した。アラブ諸 国の要求を入れて、声明ではなく決議として採択したのであるが、例によってアメリカはこれに対し棄権した。効力は一層弱い者になった。
イスラエルのオルメルトはこれを拒否した。9日も地上侵攻を止めていない。空 爆も続行している。死者は782名になったが、ほどなく1000名になり史上最悪の事態になるものと予測される。
信じられないのが、これによってイスラエルはガザあるいはパレスチナなどの中東の人々を完全に制圧できたと思っていることである。戦いは武器があるのでやるのではない。憎しみが行うものである。もっともアメリカは金儲けのためにやっているが。ユダヤ人は自らの歴史から何を学んできたのであろう。
アメリカの支援があるおかげでイスラエルは強硬になれるのである。国家的規模などを考えると、アメリカの方が罪が重いかもしれない。ライスは平然と石つぶてを投げるパレスチナ人を非難する。僅かのロケット砲が戦闘と言える状況にはなっていない。
エジプトによる仲介にたいして、ハマスは「ガザの封鎖解除」が先決とこれを拒否した。それらに先立つ、サルコジの提案もイスラエルは拒否をしている。
ガザ地区は武力で制圧は可能であるかもしれないが、中東全体に更なる大きな戦争の火種を残すことになる。ようやくイラクの戦火が下火になってきたにもかかわらず、あるいはそれを見越したイスラエルの戦闘行為であるかもしれないが、中東は泥沼状態に入った といえる。
日本では国会で社民党の質問に対して、首相が戦闘が終わらなければ何もできないと、全くとぼけたことを発言している。サルコジはそうした意味でも評価されるべきであるが、アメリカ追従の国策では存在感すら示せない。