終身雇用と年功序列による給与体系が問題視されることは、とりわけ公務員(官僚)批判のターゲットにされることは、少なからず理由があった。護送船団方式も多くの問題があり、日本のお役所と大企業の強力な結びつきの、根源になっていた。さらにこれに政治家が加わることで、ゴールデントライアングルと言われている。
この延長として、雇用関係の見直しと年功序列がやり玉にあがる背景の中で、派遣社員の必要性が「柔軟な雇用関係」として登場した。雇用関係については下記のサイトから、ほとんで無断で引用したので参考にしていただきたい。
ここで問われるのは、雇用者の社会的責任(CSR)である。直接・常時雇用できない理由のある場合に限り、パートや臨時雇用するべきなのである。
工事現場に医師が必要な場合であったり、企業内で養成できないような極めて特殊な技術者を必要とする場合に限る、派遣労働の枠を、好きな時に働ける雇用の柔軟性とか市場原理といううたい文句で外してしまったのである。規制改革とやらである。
今急浮上する「ワークシェアリング」は、給与を減らして雇用を確保しようとするものとされているが、現実には賃金を抑えるための雇用者側の論理でしかない。
身障者や主婦などが、生活スタイルの中で働ける時間だけ働く、正規雇用関係を引き合いに出しているが、ワークシェアリングとは似て非なるものである。それでも構わないというほどの現実があることは認めなければならないが、労働者は追い詰められる一方である。
「五十嵐仁著「労働再規制-反転の構図を読みとく」(ちくま新書)より引用
雇用の基本は、直接・常時雇用である。基本的には、使用者が雇用責任を取ることができる直接雇用で、働きたいだけ働ける期間の定めのない雇用でなければならない。しかし、仕事の繁閑や専門性の関係で、一時的臨時的に雇用者を増やさなければならない場合や専門の技術者などを雇用する必要性が出てくる。こうして、一時的で部分的な業務を担当するパート労働者や派遣社員が登場する。しかし、それはあくまでも例外的なものであり、決して典型とされてはならない。これが、パートや派遣労働者の問題を考える基本的視点である。」http://igajin.blog.so-net.ne.jp/