ブッシュが最後の演説を行った。史上まれに見る低支持率のまま辞めるためではないだろうが、声に張りがなく表情も力なく精彩を欠いたように見受けらrた。
しかし、内容的には強気のままであった。就任直後の、9.11に始まるテロとの戦いは成功した。7年間アメリカはテロにさらされなかったと強調した。アメリカ国内では、テロにあわなかったけれども、アメリカを支援した国やアメリカ兵たちは結構やられている。
それに、テロと規定した内容を見ると、ブッシュのやってきたことがテロそのものではなかったか。
悪と善がこの世にあり、その二つは相いれないものであると言った。悪も善も同じ人間が主張するものである。第一、なにが悪で何が善なのか、誰が決めるのだろう。ブッシュは自分が決めたのであるが、決められた方はいい迷惑である。
ブッシュを悪と思っている人たちが、中東にはたくさんいるととは、靴を投げられて解ったはずだろう。ブッシュの言う、自由と民主主義もあやふやなものである。単なるお題目にすぎなかった感がある。
ブッシュの擁護する、中東で唯一の民主国家とか言われているイスラエルでは、パレスチナ人の被選挙権は大幅に制限されている。あれほどの大量虐殺を止めない国家が、民主主義国家だろうか。
何よりもっブッシュは大きな二つの課題を残したままである。テロ対策と経済対策である。やり残したのではなく、自らが大きくして耐えきれずに、オバマに引き継ぐことになっただけである。
更には、温暖化対策や北朝鮮問題やイラン問題など、ほとんども問題も同様に大きくしてより困難な状況にして残した感がある。いずれにせよ史上最低の大統領であったことには間違いない。