バラク・フセイン・オバマアメリカ大統領の就任セレモニーを深夜まで見た。アメリカは陽気な国である。200万人もの人が集まった。自分たちで選び出した大統領であるし、何よりも黒人であることが今までにない共感を得たのであろう。
就任演説は19分であったが、選挙戦で用いたフレーズ「chenge」や「we can」はさすがにほとんど出てこなかった。明るい未来を提示するよりも、直面する課題を多く並べた。アメリカが置かれている問題の深刻さがかえって強調された感がある。責任の時代になったとの認識は正 しいと思う。環境問題にも時間を割いていた。
力では解決できない問題を訴えながらも、就任前の協調ということはあまりなく、それぞれが責任を持つ時代になったと強調していた。リンカーンを敬い、ケネディーを意識した内容だった。
バルコニーの演奏も様々な人種によるものであったし、集まった人々のなかに有色人の姿が多く見られた。大きな理想と課題を上げた内容だったが、少なくともブッシュのようなアジテーション的な面は少なく、アメリカが盛り上がった割には地味な内容の演説であった。新しい時代の幕開けには違いない。
オバマ大統領の評価はこれからであるが、就任前に掲げていた、協調や低炭素化社会への移行や何よりも金融危機や中東問題への取り組みをどのような形で実行するかが問題である。大統領選を戦うための総論としては評価できても、現実どのように動けるか今後を注目したい。
左の「野生生物の死」をアップしました。ご覧ください。