元旦のNHKの討論番組を見た。どうしても許せないのが、竹中平蔵である。小泉改革の張本人であるこの男が、現在起きている状況は改革が足らなかったためだというのである。
私(竹中)たちが進めていた改革がとん挫したから、現在の状況があるというのである。自らが内閣から離れる時に、次を託して推薦した阿部や福田がまずかったというのである。自らが委任したことは棚上げである。そして、自分はさっさと議員辞職してしまう無責任さである。彼に投票した国民はいい面の皮である。
小泉・竹中の掲げた改革の本丸は、郵政の民営化である。民営化された郵政事業は、四つほどに分割されて経営が危ぶまれている。もともと郵政事業は黒字であり、国に何の負担もかけていなかったのである。私たちのような僻地は、極度に人員が削減されて、特定局のいくつかはすでに廃止までカウントダウンの状況にある。
非正規雇用についても、雇用の多様化を掲げて企業が守られて、日本は好景気がしばらく続いたと竹中は言う。この男は、企業収益の向上については言及したが、非正規雇用は当然のととであると発言している。労働の規制緩和が企業を救い日本の株価を上げたというのである。
首になった派遣社員たちをボランティアたちが、炊き出しをやっている光景が報道されている。まるで、震災の後のようである。震災は天災であるが、これは明らかな人災である。しかも小泉・竹中構造改革で切られた、派遣社員たちの哀れな姿である。
これでは社会不安が続くし、消費も伸びないどころか年金や保健の受け皿もない、哀れな社会現象でしかない。世界第2位の経済大国の個人賃金は現在19位だそうである。少数の富める人たちを生み出す社会は、大量の貧困層によって支えられている。
企業の利益はまず株主に配分されさらに運営者に還元される。次には企業内に留保される。この間に株主への配当は5倍以上になり運営者たちは3倍以上の所得を得ている。かつての企業主は、解雇を恥と思っていた。企業モラルの消えた社会は、小泉・竹中カイカクによって更に非情になってきたのである。それを当の本人はまだ足らないというのである。
竹中はさらに企業の減税を進め中ればならないと発言する怖ろしい、現状比認識である。いま日本社会は所得再配分を目的とした、課税対策をやらなければならない。消費税への動きは明らかにこれに反するのである。