そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

今一度トムラウシ遭難を考える

2009-07-20 | 政治と金

トムラウシ山周辺で8人死亡したツアーを企画した会社が、業務上過失致死の疑いで捜査が入った。会社側は予期しなかった天候になったと、記者会見で弁明している。報道から、こん回のツアーの内容なども分かってきた。結論から言うと、私が予想していた通りの内容であった。

旭岳温泉、白雲避難小屋、ひさご沼避難小屋そして東大雪荘と4泊の計画である。初日の白雲200907178044161n までは相当天候が悪くても、楽勝のコースである。初日であることを考えると、だれもが体力があるだろうし、旭岳以外に大きな登坂はない。2日目の白雲からひさごまでは、多分3万歩を超えるコースある。10時間以上は歩くことになる。私自身ここの長丁場で体力の消耗は激しかった。今回は天候も良くなかった。

ひさご沼に泊ることには、相当疲労が蓄積していたであろう。ひさごからトムラウシまでは、結構な登りになるため、山頂をパスするグループも少なくない。今回はこのコースの事故であるが、初日からここまで、風をさえぎるものが何もない。トムラウシに来て初めて、沼に出会うことになる。沼の水が飛ぶほどの風だったと、生還者は証言している。

ここで動けなくなったのであるが、先に進むには相当困難な状況であったはずである。事実8人が亡くなられたのであるが、この時点でひさご沼まで引き返すべきであった。引き返す時は、今来た道を辿るのである。道を間違える不安もない。心理的にも相当安心感が生じる。要は判断である。ツアーリーダーが最初に女性とここにデポ(停滞)したため、若いガイドが後の状況を判断できなかったのであろう。リーダーが最初に隊を離れたのも問題である。

とにかく引き返す勇気を持つべきであった。それを拒んだのが、会社側の儲け主義のスケジュールである。4泊5日も日にちがあるなら、休息日を最低一日は用意するべきであった。ガイドは、何としてもその日のうちに下山して東大雪荘に行きたかったのであろう。このコースは、エスケープルートがない。つまり、問題が生じたときには引き返すか、デポ以外に方法がない。それを可能にするのが。休息日の設定である。

本州方面各地からの寄せ集めの登山であるため、事前の打ち合わせなどできるはずなどなく、お互いの結束力がない。最後はばらばらになって下山している。

深田久弥の百名山が有名になり、久弥の指定した山は毎年今ごろは大賑わいである。通常のツアーでも2.3山は踏破する。日帰り登山が多いが毎日登る計画である。相当きつい。今回の事故も、北海道の山を知らない人たちが引き起こした事故である。登山の実績を方本州方面で重ねても意味がないと思うのである。山を商売のネタにするならそれなりの経験を踏まえなけれがならない。

コメント (1)
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