そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

大雪山系の遭難に思う

2009-07-17 | 政治と金

大雪山系で10もの登山者が死亡した。夏山としてはかつてない悲惨な事故になった。私はこのコースは何度も通ったところである。トムラウシの遭難パーティーも美瑛岳の方も、縦走コースである。エスケイプルートがない。何かあると、留まるしかない。この両パーティーはこの判断をやPhoto らなかった。

北海道の山には、ほとんど山小屋がない。唯一点在しながらあるのは、大雪山系だけである。この二つの事故のところにはちゃんと山小屋がある。我々ならきっと停滞したであろうが、彼らにはその余裕がなかったのであろう。。

私はいずれこのような事故が必ず起きると思っていた。このような事故とは、本州から来られる 方たちで、スケジュールが細かく決められているツアー登山である。登山に融通が利かないばかりか、余裕も感じられない。登山者の装備が高価ではあるが軽すぎる。寄せ集めの団体であるから、ツアーに結束力がない。

今回は加えて、高年齢者が多い。口は達者でも持続力はないのである。休んでいたり、山小屋の中ではとにかく陽気でかしましい。毎年驚くような山を踏破している。それをお互いに自慢する。私のように、北海道しか知らない登山者には羨ましい限りである。

とにかく彼らを見ていると、忙しいことこの上ない。北海道の山に登ったという実績を創るた200907178044161nめの山登りである。花や風景を見ることがない。特に表大雪などは、地質的にも貴重な構造になっている。絶滅が危惧される花や、固有種などを観察してほしいのであるが、そんなことより今日のスケジュールの消化に忙しいのである。

ツアー会社の料金が目が飛び出るほど高い。参加者たちは帰宅後に自慢話をしなければならない。まるで北海道登山のアリバイ工作をやりに来ているようである。日帰りツアーなどでは、50人以上の団体を幾度も見ている。これらに飲み込まれるとたまったものでない。傍迷惑も良いところである。

ひさご沼には立派な避難小屋がある。今回は天候の回復を待つ判断をすべきであったし、何人か倒れた時でも引き返す勇気を持たせるべきであった。

これでまたこのあたりの入山の規制が厳しくなるであろう。我々には迷惑である。もっと本当に山を楽しみ、親しめるようにて欲しいものである。

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また起きたチェチェンを巡る暗殺

2009-07-17 | 政治と金

000ロシアの人権団体「メモリアル」の重要メンバーである、ナタリャ・エステロミロ女史が殺害された。チェチェンに隣接するナザレンと言う森の中で彼女の死体が見つかった。頭部と胸に2発の 弾痕があったとされている。誘拐されて数時間の地のことである。メモリアルは、先日アメリカのオバ090716 マ大統領がロシア訪問の時に、訪問している人権団体である。

ナタリャの暗殺ですぐに思い浮かべるのが、アンナ・ポリトフスカヤの暗殺事件Chechen0907016である。ナタリャは、アンナの殺害以降彼女に代わり、精力的にチェチェンの弾圧を告発していた。メモリアルのメンバーは、彼女の死はロシアの恥だと発言し ている。

アンナ・ポリツフスカヤが2006年10月に、プーチンの誕生日に何者かによって自宅のエレベータ内で銃により殺害された。ナタリャ・エステロミロは翌年に設けられた、アンナ・ポリツフスカヤ賞の最初の受賞者であった。

世界各地でテロ行為を口実に、武力で民族の独立運動が抑え込まれている。チェチェンは、ロシアが石油を輸出するのに重要な地域である。中国の新疆ウイグル地区も同様に、地下資源が経済発展する漢族の国家にとって極めて重要な地域である。武力による制圧は、一時の静寂を確保できるだけである。むしろ、独立を望む民族にとっては地下にエネルギーを溜め、極めて危険なことになる。

090716001ロシアに従属するチェチェン共和国のカディロフ大統領は、独立運動には極めて強い姿勢で臨んでいる。家族を巻き込んだ弾圧を続けている。ナタリャはカディロフ大統領から脅迫を受けて いると、メンバーの友人であるターチャ・ナカサティナに告白している。

大国の利益のために抗した民族意識は、いつの時代も弾圧の対象になる。政治的、思想的な自由をはく奪し、言論の弾圧を行うロシアや中国は、いつまでこうしたことを続けるのであろうか。

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羅臼港

春誓い羅臼港