トヨタの豊田章男社長が、アメリカ下院の委員会に呼ばれ、リコール問題や会社の姿勢を追及 された。アメリカの、ビックスリーが凋落した後、最大の自動車産業として居座っている異国の 社長の尋問である。そもそも日本語の「資本主義」と、英語の「Capitalosm」は体制や思想において異なる。
お金があれば起業できるのが資本主義であるが、Capitalosmは社長(Cap)の思想を隅々まで浸透させるという考えであり、体制である。委員会では、社長の指導力や支配力のレベルを、陰湿に問うことになるのもやむを得ないのである。そしてこの委員会の背景には、中間選挙を控えた議員たちによるパフォーマンスが充満していた。質問者の殆どが、そうした背景にある議員たちであった。
アメリカ議会は、トヨタを悪人に仕立てようとしたが十分ではなかった。マットのずれがアクセルペダルが戻らないで事故が起きるのが、どうしてリコールになるのかが良く解らない。日本では使うことのない素材を、アメリカ車は現地で調達し生産したことが原因である。そうしたことを口にしなかった豊田社長はまずまずの対応であったといえる。
アメリカの車で、この程度の問題が今までなかったのであろうか。細かいところまで行きとどいた日本の車に比べ、馬力はあるが燃費が極端に悪くエンストが珍しくないアメリカの車に、この程度の欠陥が今までなかったのであろうか。
トヨタ工場の誘致による国内生産を押し進めたのは、アメリカだった。地元の企業を優先させるように仕組んだのも、貿易収支の赤字を背景にしたアメリカの圧力であった。そのことの背景を誰もが知っているので、トヨタを悪者の企業に脚色できなかったのである。時間が経てば、こんなことはバカ色た三文芝居だったといわれるようになると思われる。