グリーンデールを掲げて大統領になったオバマであるが、どうもこのところ雲行きがおかしい。医療問題はともかく、自然エネルギーへの大転換を訴え、産業構造の変革を掲げていたのであるが、どうも方針転換をしたようである。
原子力発電建設への融資を3倍にもし、税制上の優遇制度を導入することになった。CO2を排 出しない原発であるが、新たな環境問題を抱えることになる。相当技術的な進歩があっても、原発の廃棄処理は100年はもたないといわれている。次世代への負の遺産を残すことになる。スリーマイル島の原発事故の教訓を生かしていない。
バイオ燃料の奨励を行った。トウモロコシによるバイオ燃料の奨励であるが、現在120億ガロンの生産量を、360億ガロンにするというのである。トウモロコシは、人あるいは家畜と競合する食品である。確かにバイオ燃料はCO2のを排出しない。しかし、バイオ燃料生産に係わるCO2排出量は決して少ないものではなく、結果的に負になることを踏まえていない。
バイオ燃料については、セルロースによる生産が本来でなければならない。人と競合しない、廃棄木材や葦のようなスイッチグラスに転換するべきなのである。技術開発がかなり遅れているのは、こうしたトウモロコシやサトウキビなど安易に、本来は食品となるものからから作るからである。
更に議会では、キャッチ&トレード方式をCO2売買として嫌われているようである。オバマは、自ら打ち出した、グリーン政策を奨めることなく転換するようである。環境保護団体からは、大いにクレームがつくようだ。