中国の雲南州と貴州周辺で大規模な干ばつが起きている。被害面積は356万ヘクタールに達し、雲南州では210万ヘクタールが深刻な状況になったいる。被害人数は597万人、家畜は359万頭が深刻な水不足に落ちいっている。40日以上も降水がなく、ほとんどのダムは乾いてひび割れた底を見せている。
中国の経済成長は、地域間格差を大きくするばかりである。内陸地帯の南西部に起きている深刻な干ばつは、さらなる農業に対する産業間格差あるいは、農村への地域間格差を深刻なものにするものと思われる。
中国の経済成長は、世界の工場と言われるように、安価な労働力を背景にした、先進国の工 場誘致に始まっている。更には工業化政策を富める者から取り込むことによって、農業を相対的に差別し、農業をを貧困な産業に閉じ込めてしまったのである。今回の干ばつ地域の農民は物乞いすらしなければならない状況にある。
こうした政策は、国家としての成長戦略は成功したのであるが、それはどう見ても社会主義とは見ることができないのである。経済成長は誰のためにあるのか? 何のために成し遂げたのか? なぜ経済発展を最大の政策にしなければならなかったのか? 社会主義体制を自負するのであれば、こうしたこと検証するべきなのである。
未だに年収が10万円に満たない人民(この際、中国が好んで使ってきた言葉を用いる)を、世界第2位までに成長した経済大国は救済するべきなのである。
今回起きた干ばつに対する中国政府の対応を、期待を込めながら見ていきたいものである。それにしても、地球上では今後どのような地域で何が起きるか予測すらできない、異常気象の時代になったのではないかと思われる。