そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

チョコレートも食べられない子どもたち

2010-02-13 | 政治と金

バレンタインデーが近付いてきた。日本のチョコレートはこの時期に半分も売れるようだ。いつのころからこんなことになったのだろ。日本中がバレンタインチョコ一色になる。別の見方をすれば、商魂たくましい菓子製造業の思うつぼである。

2このチョコレートの原料は、言わずとしてたカカオ豆である。カカオ豆はアフリカの国々で、世界の70%の量が生産されている。日本は、ガーナとコートジュボワールから年間5万5600トン輸入している。

カカオマメの収穫は手間がかかる。単純作業であることもあって、多くの子供が駆り出されている。コートジュボワールでは、このために学校へも行けない子どもたちが、安価な労働者として働かされている。カカオ豆農園の、チョコレート製品に対する手取りは、僅か0.5%に過ぎない。200円のチョコレートで1円しか私たちは払っていない。

カカオ豆は近年収穫量が落ち込んでいる。連作と気候変動と寄生虫の発生によるものである。Photo コートジュボワールでは、年間120万トンの生産量はこうしたことを背景に、20%も落ち込んでしまった。ガーナやナイジェリアも同じ事情を抱えている。

コートジュボワールの、カカオ豆の生産はGDPの10%を占めている。油やしやゴムへの転換も思うように言ってはいない。技術的にもインフラも整っていない。カカオ豆はこの国の貴重な外貨を稼いでくれている主産業である。

カカオ豆の収穫に駆り出されている子どもたちは、カカオ豆がどのような製品になるか全く知らない。チョコレートなども食べたこともないのである。平和な先進国でバレンタインチョコに浮かれるのも結構だが、こうした事情も少し苦味の中にあることを知っていても良いのではないか。

コメント (7)
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